最新記事
健康

【医師が勧める40代からの健康診断】がん死因の女性1位、男性2位「大腸がん」の検査と初期症状

2024年4月25日(木)16時49分
石井 洋介 (医師、日本うんこ学会会長)*PRESIDENT Onlineからの転載
年約5万人が死亡するサイレントキラー大腸がんの初期症状はここに出る...医師が40代から年一回勧める検査

mi_viri - shutterstock

<年約5万人が死亡するが早期にはほとんど自覚症状がなく「サイレントキラー」と呼ばれる大腸がん。下痢と便秘を繰り返したり、出血がみられたら要注意だ>

自覚症状のない病気はどう発見すればいいか。

医師の石井洋介さんは「早期にはほとんど自覚症状がなく、『サイレントキラー』と呼ばれる大腸がんの初期症状は『うんこ』に現れる。下痢と便秘を繰り返したり、出血がみられたら要注意だ。大腸がん検診で行われる便潜血検査、いわゆる検便は、この微量な血(便潜血)を検出できる。少なくとも40代になったら年1回は受けるといい」という――。

※本稿は、石井洋介『便を見る力』(イースト・プレス)の一部を再編集したものです。

【1年に約5万人が大腸がんで死亡している】

現在、日本における死因の第1位は悪性新生物、すなわち「がん」です。昭和56(1981)年からずっと変わらず死因の第1位(厚生労働省「人口動態統計年報主要統計表」)で、令和4(2022)年の全死因における割合は24.6%。

さらにその中での順位は大腸がんは男性2位、女性は1位と高い位置にあります。人数にすると1年間で5万人以上が、大腸がんで死亡しているのです。東日本大震災で亡くなった方の数が約2万人、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方の数がこれまでの累計で約7万人と考えると、とても多いことがわかります。

一方で5年生存率と呼ばれる治療の成績は年々よくなっていて、直近のデータでは平均して70%程度の方は5年以上生きられる病気になっています。現代では、がんはきちんと治療すれば治る可能性の高い病気と言えます。

特に大腸がんは罹患早期のステージ0、ステージ1の段階で治療すれば、5年生存率は9割を超えます。しかし、死亡者が減らないわけはいくつかあります。

ひとつは高齢化の影響です。胃腸は皮膚などに比べて細胞の入れ替わりが早いため、途中のどこかで遺伝子の異常も起こりやすくなります。そのため長寿になればなるほど、大腸がんの患者数は増えるのです。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ネクスペリアに離脱の動きと非難、中国の親会社 供給

ビジネス

米国株式市場=5営業日続伸、感謝祭明けで薄商い イ

ワールド

米国務長官、NATO会議欠席へ ウ和平交渉重大局面

ワールド

エアバス、A320系6000機のソフト改修指示 運
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 9
    エプスタイン事件をどうしても隠蔽したいトランプを…
  • 10
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中