最新記事
ヘルス

処方薬で治らなかったうつ病 7年苦しんだ精神科医を救ったシンプルな方法とは?

2023年8月25日(金)18時25分
宮島賢也(精神科医・産業医) *PRESIDENT Onlineからの転載

ステーキ、トンカツ、焼肉は元気が出そうだが...

体に負担をかけないためには、当たり前ですが「体を傷つけるもの」もよくありません。具体的には以下のようなものです。


・タバコ
・アルコール
・コーヒー、紅茶などのカフェイン飲料
・薬
・過剰なタンパク質、赤身の肉類
・過剰な塩分
・加工食品と砂糖

焼き肉や、鉄板の上でジュウジュウ音を立てた厚切りステーキを食べると気分が上がる気がします。ですが、肉のように高タンパク質、高脂肪の食べ物は消化に時間を要します。肉はたとえ生で食べても体に負担をかけやすいのです。

少し専門的にいえば、高タンパク質、高脂肪の食品は分子構造が複雑なために分解するのに多大な労力を必要とします。

その労力とは酵素にほかなりません。肉を、それも加熱した焼き肉やステーキを大量に食べると、胃袋にまるで鉛が入ったような重さを感じるのはそのためです。ですから、本当に気分を上げるには、熱々のステーキより、生野菜や果物を好きなだけ食べるほうが実は効果的なのです。

私は高校と大学でラグビーをやっていましたので、試合前には「よし、今日はトンカツを食べて、明日は闘おう!」と気持ちを盛り上げていました。肉食は心に興奮をもたらします。しかし、その一方でどこか心が落ち着かなくなる、確かにそんな実感もありました。

7年間のうつ病を改善させた朝食、昼食、夕食

それでは私がどのような食事に変えたのか、具体的にご紹介しましょう。

まず、朝は果物だけを食べるようにしました。毎朝、3~4種類を用意して、ほかの食べ物は食べないようにしたのです。用意する果物の種類や量は適当で、たくさん食べることもあれば、バナナだけという日もありました。この食事法がいいのは、生野菜と果物であれば好きなだけ食べてOKということです。

昼食も果物と生野菜が中心でした。野菜は水分の含有量が多く、体が必要としている栄養素をたくさん含んでいます。食物繊維が豊富な点もありがたいですね。果物と生野菜、物足りなさを補うために玄米ご飯を持参して、職場で食べました。果物なら、リンゴ、柿、バナナが多かったです。

野菜は、きゅうり、ピーマン、ブロッコリー、キャベツ、レタス、トマト、にんじんなどです。ピーマンでもブロッコリーでも生でかじり、風味がほしい場合は塩をちょっと振るか、オリーブオイルに塩を混ぜてドレッシングにするとおいしくいただけます。

夕食は基本、昼食と同じです。とはいえ、肉や魚を食べていけないわけではありません。体が重くならない量であれば大丈夫です。間食もOKです。果物と野菜中心の食生活では、午後3時くらいにお腹が減るのは当然です。そんなときは無理せず、バナナなどを食べるとお腹が落ち着きます。

サラダやナッツ類も間食におすすめです。ナッツを食べるときは、無塩のものを選ぶようにすると体への負担が少なく、ダイエット効果も高まります。

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、マスク氏盟友アイザックマン氏をNASA

ビジネス

10月マネタリーベース7.8%減、14カ月連続のマ

ワールド

政府閉鎖さらに1週間続けば空域閉鎖も、米運輸長官が

ワールド

UPS機が離陸後墜落、米ケンタッキー州 負傷者の情
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中