最新記事

その水分補給ちょっと待って! 夏にスポドリや缶コーヒーを飲む人に伝えたい「安心して飲める」ドリンク

2023年7月21日(金)10時46分
渡辺雄二(科学ジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載
ペットボトル飲料を飲む少女

夏場はペットボトル飲料を飲む機会が増えますが、その飲み物は安全? zue / photoAC mjaud / shutterstock


蒸し暑い梅雨が明けると、夏本番! 仕事の合間や休憩に、冷たい飲みものを欲することも増えるでしょう。本稿では、『新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』の著者で、科学ジャーナリストの渡辺雄二氏が、安心して「飲んでもいい」飲みものを選ぶ方法をお伝えします。

その飲み物、「合成甘味料」が使われてませんか?

 
 
 
 

前回、「糖質ゼロ」「ダイエット」とうたった健康飲料やノンアルコールビールに、注意が必要だと書きました。実は、健康飲料やノンアルコールビールのほかにも、合成甘味料が添加されている飲料はたくさんあります。

たとえば、「缶コーヒー」。缶コーヒーは各社からさまざまな製品が売り出されていますが、その主流は「微糖タイプ」です。それらには、砂糖の代わりに合成甘味料のアセスルファムKやスクラロースが添加されているのです。

アセスルファムKはイヌを使った実験で、肝臓にダメージを与えたり、免疫細胞の1種のリンパ球を減らすことがわかっています。スクラロースは、ネズミを使った実験で、リンパ球を減らすことが示唆されています。缶コーヒーを飲むなら、無糖・ブラックがいいでしょう。

また、「風呂上がりに飲むとおいしい」とスポーツドリンクをガブガブ飲んでいる人もいるでしょう。ナトリウム、カリウムなどのミネラルをふくんでいます。

汗をかくと、一緒にナトリウムが排泄されるので、それらを補うスポーツドリンクを「おいしい」と感じるのでしょう。このスポーツドリンクのなかには、合成甘味料のスクラロースがふくまれている製品があります。スクラロース入りは、避けてください。

合成甘味料については、ボストン大学の研究グループが、「合成甘味料入りのダイエット飲料を1日1回以上飲んでいた人は、まったく飲まない人よりも虚血性の脳卒中やアルツハイマー病(認知症の一種)になる確率が約3倍も高い」という調査結果を発表しています。さまざまな食品にたくさん添加されている合成甘味料に、注意が必要です。

暑い季節に人気なのが、スカッとした飲み心地の炭酸飲料です。通常、炭酸飲料には、保存料は使われていません。炭酸に殺菌作用があるため、使う必要がないのです。

しかしなぜか、一部の炭酸飲料には、合成保存料の安息香酸Naが添加されています。加熱殺菌をしていないので、腐敗を防ぐために使っているようです。

安息香酸Naは、ラットに一定量を与えると、痙攣や尿失禁などをおこして死んでしまうという物質です。飲料に添加される安息香酸Naは微量ですが、炭酸飲料は子どもがよく飲むものなので、その影響が気になるところです。表示を確かめ、安息香酸Naが入っているものは選ばないようにしてください。サイダーには、安息香酸Naは使われていません。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されずに「信頼できない人」を見抜く方法
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中