最新記事
日本社会

あまりに危険 ! ノーヘル、右折OKとなった電動キックボードの車道走行は禁止すべき

2021年6月29日(火)18時35分
橋本愛喜(フリーライター) *PRESIDENT Onlineからの転載
代々木公園周辺の車道を走る電動キックボード

電動キックボードで代々木公園周辺の車道を走る筆者。追い抜く瞬間に必要以上にエンジン音を上げる自動車もあった(写真提供=筆者)

国の特例措置を受け、ヘルメットなしでも公道を走れる電動キックボードのシェアリングサービスが始まった。元トラック運転手の橋本愛喜さんは「3密を避けられる新しい移動手段として注目されているが、日本の道路ではあまりに危険すぎる。いつ悲惨な事故が起きてもおかしくない」という――。

乗って分かった電動キックボードの危険性

電動自転車のシェアリング事業を展開する事業者など4社が、国の特例措置を受け、実証実験という形で4月から電動キックボードのシェアリングサービスを東京や大阪、福岡などで順次始めた。

電動キックボードとは、その名のとおり電気モーターが付いたキックボードだ。

もともと日本の道路交通法上では「原動機付自転車(原付)」に分類されるが、今回、国から特例措置を受けた4社の電動キックボードは「小型特殊自動車」として公道走行が認められた。

これより今後、ドライバーやサイクリスト(自転車乗り)たちは、この新しいモビリティと頻繁に車道を共有することになる可能性があるわけだが、元トラックドライバーという観点から率直に言うと、どうして日本の道路状況下で、この電動キックボードの走行が許されたのか理解できない。

ルールの曖昧さと道路の狭さから、自転車と自動車すら安全かつ平和的に道路を共有できていない現在。このモビリティを走らせるには危険が多すぎる。

筆者は東京の渋谷駅、代々木公園周辺で実際に乗って確認してみた。モビリティを詳説しながら、その感想を率直に述べる。

「時速15km」と「ヘルメット任意」

先述どおり、特例措置が認められた4社の電動キックボードは、これまで必要だった免許が「原付」から「小型特殊自動車」となった。そのため、普通自動車免許や普通二輪免許を持っている人ならば乗ることができるが、原付免許では乗ることができない。

小型特殊自動車には、フォークリフトや除雪車、農耕トラクターといった乗り物が該当するのだが、原付とは走行時のルールが大きく異なる。

なかでも特筆すべきは、「時速15km」と「ヘルメット任意」だ。

<1.制限速度「時速15km」>

原付の制限速度は時速30kmだが、この今回の電動キックボードは時速15km。自転車と同じか、それより遅いくらいのスピードだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米軍「イランの攻撃阻止」、革命防衛隊の米企業標的宣

ワールド

トランプ大統領図書館のAI動画公開、マイアミにガラ

ビジネス

原油高の影響「明確」、リスク過小評価すべきでない=

ビジネス

米2月求人件数、688.2万件で予想下回る 採用は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 5
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 6
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 7
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 10
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中