ジェームズ・ボンドとエリザベス女王を想起したくなる――豪華キャストで贈るNetflix映画『木曜殺人クラブ』
Great Actors, Thin Script
(左から)エリザベス、イブラヒム、ロン、ジョイスは殺人事件の謎に挑む NETFLIXーSLATE
<ベストセラーとなった推理小説をコロンバス監督が映画化。シニア探偵団が奔走する痛快編。ファンサービス満点のセルフパロディも話題に(ネタばれなし・レビュー)>
新作映画『木曜殺人クラブ(原題:The Thursday Murder Club)』(ネットフリックスで配信中)は、シニア4人組が殺人事件を追うミステリーだ。
ある場面で、4人組のうち元スパイのエリザベス(ヘレン・ミレン)と元看護士のジョイス(セリア・イムリー)が警察署を訪れる。これから警察相手に小芝居をすることに、ジョイスはワクワクしっ放し。「私たちって、ドラマに出てくる元気なおばあちゃん探偵みたい」と言う。
「元気なおばあちゃんって、私の前では禁句だから」と、エリザベスは冷たく答える。
だが、英作家リチャード・オスマンの同名小説シリーズを原作に、クリス・コロンバス監督が手掛けた本作は、エリザベスの意向を無視する。
ハリウッド感あふれる作品の名手コロンバスにとって、70代女性の「らしくない」言動で笑いを取る誘惑に抵抗するのは体質的に不可能だ。
例えば、冒頭の警察署前でのやりとりは原作にはない。オスマンにも、高齢者をかわいい存在に押し込める傾向はゼロではないが、よりウイットがあって趣味がいい。






