最新記事
音楽

「オアシス再結成ライブ」に見えた、男の安息地――ノスタルジアがひらく親密さと可能性【note限定公開記事】

The Oasis Male Space

2025年9月13日(土)08時05分
サーチ・コール
仲間意識を示すように、同じオアシスTシャツを着て集まった白人男性ファン

仲間意識ロンドンのライブに駆け付けた白人男性ファンは、ほぼ全員がオアシスTシャツを着ていた(7月25日) ©2025 The Slate Group, BEN MONTGOMERY/GETTY IMAGES

<何万人もの男たちが涙を流し、歌に身をゆだね、隣の見知らぬ男と肩を組む。オアシスの再結成ライブにあったのは、現代社会が奪いかけている「男の居場所」だった>


▼目次
1.「彼女たち」が立ち寄らないオアシス
2. 男たちの「共通言語」としてのオアシス
3. ノスタルジアが解き放った、新しい居場所

1.「彼女たち」が立ち寄らないオアシス

私は男が嫌いだ。いや、大好きでもあるんだけど、やっぱり好きじゃない。こんなに性格がいい私なのに、プライベートでも仕事でも男嫌いのイメージが付いてしまった。

でも実は、ストレート(異性愛)の男友達もけっこういる。男の子って、どこかキュートなのだ。

怪しげなビールが好きで、やたらとサッカーに熱くなり、どこから見てもダサいアップルウォッチのバンドをうれしそうに見せびらかす。「これ見て!」と得意げに差し出してくるのが、ただの観葉植物だったりする。

高校や大学時代からの数人の男友達は今も大事にしている。でも正直なところ、最近はストレートの男性との会話に誠実さを感じるのが難しい。

数年前に離婚してから、私は男性中心の場所やストレートの男友達の多くから距離を置くようになった。

いま付き合っているのは、大半がクィア(性的少数者)で非白人の女友達。彼女たちが絶対に行かない場所がある。

そう、イギリスのロックバンド、オアシス(Oasis)のコンサートだ。

オアシスは16年前に解散し、ノエル(Noel Thomas David Gallagher)とリアム(William John Paul Gallagher)のギャラガー兄弟がさんざん兄弟げんかを繰り返した後、昨年になって再結成を発表。

今まさにワールドツアーの真っ最中だ。

全41公演に及ぶツアーは、ガールフレンドのママに会うのにサッカーのユニフォームを着ていくような男たちでごった返している。

私は7月にロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたライブに行ってきた。

2. 男たちの「共通言語」としてのオアシス

男性の孤独が社会問題とされる今、社会学者は解決策を探すのに忙しい。

もっとスポーツをやらせる? タンパク質を増やす? 人気芸人のポッドキャストを聴かせる? オアシスのライブは、少なくとも1つの答えをくれた。

◇ ◇ ◇

記事の続きはメディアプラットフォーム「note」のニューズウィーク日本版公式アカウントで公開しています。

【note限定公開記事】「オアシス再結成ライブ」に見えた、男の安息地――ノスタルジアがひらく親密さと可能性


ニューズウィーク日本版「note」公式アカウント開設のお知らせ

公式サイトで日々公開している無料記事とは異なり、noteでは定期購読会員向けにより選び抜いた国際記事を安定して、継続的に届けていく仕組みを整えています。翻訳記事についても、速報性よりも「読んで深く理解できること」に重きを置いたラインナップを選定。一人でも多くの方に、時間をかけて読む価値のある国際情報を、信頼できる形でお届けしたいと考えています。


ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:米保守派カーク氏殺害の疑い ユタ州在住の

ワールド

米トランプ政権、子ども死亡25例を「新型コロナワク

ワールド

アングル:ロシア社会に迫る大量の帰還兵問題、政治不

ワールド

カーク氏射殺、22歳容疑者を拘束 弾薬に「ファシス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    「AIで十分」事務職が減少...日本企業に人材採用抑制…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 10
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中