恐竜の美しさに泣けてくる...『ジュラシック・ワールド』最新作には、原点回帰のスリルと興奮が
Rebirth of That Old Movie Magic
だがエドワーズは、恐竜の怖さを強調すると同時に美しさとロマンチシズムも表現している。例えば、のんびり歩き回る恐竜の群れにゾーラたちが遭遇して息をのむ場面。ここは泣ける。彼らは平和的で、互いにじゃれ合い、その圧倒的な体格とは裏腹な繊細さを見せてくれる。
それは生真面目なルーミス博士にとって信じ難い光景で、そのときに彼の感じた畏敬の念を表現するジョナサン・ベイリーの演技は秀逸だ。
なお「ジュラシック」シリーズの常として、今回も製作総指揮を務めたのはスティーブン・スピルバーグ。彼がどこまで関わったのかは不明だが、スピルバーグの温かいムービー・マジックは本作にもしっかり受け継がれている。
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は古いアドベンチャー映画のようでもあり、過去の作品へのオマージュのようでもある。
3つのオスカー像を持つ巨匠に並ぶことは不可能でも、エドワーズはスピルバーグが長年にわたって築いてきた映画の世界観に敬意を表している。それは幻想的でロマンチックで、壮大で......とにかく楽しい。
さあ映画館へ行って、存分に楽しんで。これほど丁寧につくられ、観客をリスペクトした大作はめったにない。
JURASSIC WORLD: REBIRTH
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
監督/ギャレス・エドワーズ
主演/スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ
日本公開は8月8日