最新記事
映画

恐竜の美しさに泣けてくる...『ジュラシック・ワールド』最新作には、原点回帰のスリルと興奮が

Rebirth of That Old Movie Magic

2025年7月31日(木)15時32分
ビリー・メリッサ

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ジョナサン・ベイリー演じるルーミス博士

同行する古生物学者ルーミス博士(ベイリー) ©2025 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

だがエドワーズは、恐竜の怖さを強調すると同時に美しさとロマンチシズムも表現している。例えば、のんびり歩き回る恐竜の群れにゾーラたちが遭遇して息をのむ場面。ここは泣ける。彼らは平和的で、互いにじゃれ合い、その圧倒的な体格とは裏腹な繊細さを見せてくれる。

それは生真面目なルーミス博士にとって信じ難い光景で、そのときに彼の感じた畏敬の念を表現するジョナサン・ベイリーの演技は秀逸だ。


なお「ジュラシック」シリーズの常として、今回も製作総指揮を務めたのはスティーブン・スピルバーグ。彼がどこまで関わったのかは不明だが、スピルバーグの温かいムービー・マジックは本作にもしっかり受け継がれている。

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は古いアドベンチャー映画のようでもあり、過去の作品へのオマージュのようでもある。

3つのオスカー像を持つ巨匠に並ぶことは不可能でも、エドワーズはスピルバーグが長年にわたって築いてきた映画の世界観に敬意を表している。それは幻想的でロマンチックで、壮大で......とにかく楽しい。

さあ映画館へ行って、存分に楽しんで。これほど丁寧につくられ、観客をリスペクトした大作はめったにない。


JURASSIC WORLD: REBIRTH
ジュラシック・ワールド/復活の大地
監督/ギャレス・エドワーズ
主演/スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ
日本公開は8月8日

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

金正恩氏が列車で北京へ出発、3日に式典出席 韓国メ

ワールド

欧州委員長搭乗機でGPS使えず、ロシアの電波妨害か

ワールド

ガザ市で一段と戦車進める、イスラエル軍 空爆や砲撃

ワールド

ウクライナ元国会議長殺害、ロシアが関与と警察長官 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 2
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマンスも変える「頸部トレーニング」の真実とは?
  • 3
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シャロン・ストーンの過激衣装にネット衝撃
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世…
  • 6
    「体を動かすと頭が冴える」は気のせいじゃなかった⋯…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    就寝中に体の上を這い回る「危険生物」に気付いた女…
  • 9
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあ…
  • 10
    シャーロット王女とルイ王子の「きょうだい愛」の瞬…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中