「クライミング」が世界中で大ブームに...体と頭を駆使し、心を鍛える「真のスポーツ」の魅力とは
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炭酸マグネシウムの弊害
ある2021年の統計によると、アメリカのクライミング人口は屋内・屋外を合わせておよそ840万人。専門ウェブメディア「クライミング・ビジネス・ジャーナル」は、24年に北米で商業クライミングジムが870軒を超えたと伝えた。
こうした現象は、世界中で起きている。中国登山協会の報告によれば23年の時点で中国のクライミングジムは前年から約30%増えて、636軒。SNS「小紅書」ではクライミング関連の投稿が、19〜23年の4年で30倍に激増した。
クライミング用品のメーカーにも追い風が吹く。「この5年、主流メディアがクライミングのプロアスリートを取り上げるようになった影響で、ジムで登っていた人たちが屋外に出ていった。人気のエリアは目に見えて人が増えた」と、ペツル社アメリカ・カナダ・スポーツ部門で国内マーケティングマネジャーを務めるベンジャミン・イートンは言う。
「クライマーの急増を受け、これまで最先端のハイエンドなギアに注力していたメーカー各社が初心者向け製品への投資を拡大した。ブームは幅広い年齢と体形に合わせて製品ラインを広げるチャンスでもある」





