最新記事
映画

ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑いもの...『名もなき者』でファンを辞めたくなる人続出?

Will Chalamet Fandom Survive?

2025年2月28日(金)14時38分
ヘザー・シュウィドル(スレート誌記者)

『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ティモシー・シャラメ演じるボブ・ディラン

19歳でニューヨークに出てきたディランの青春を描く ©2025 SEARCHLIGHT PICTURES.

救いは怒濤の宣伝活動

憧れのスターをこんなふうにけなすのはつらい。けれども私に関していえばドン引きする要素が憧れをしのぎ、映画のほかの部分が目に入らないほどだったのだ。

周囲の映画評論家の中には、彼の演技を高く評価する人もいる。それはそれで結構だが、一人のファンとしては同意できない。


最終的に私がファンをやめずに済んだのは、猛烈な宣伝活動のおかげだった。

シャラメはポッドキャストをはしごして映画を売り込むだけでなく、スポーツ専門局ESPNのアメフト番組『カレッジ・ゲーム・デー(College GameDay)』にゲストで出演した。

さらにはインスタグラムで生配信を行い、ブラック・アイド・ピーズ(The Black Eyed Peas)の「アイ・ガッタ・フィーリング(I Gotta Feeling)」に合わせて踊った。


これだけやって注目されないわけがない。実際、メディアはシャラメの宣伝を「天才的」「史上最高」とたたえる。

なぜここまで必死なのか。主演男優賞をはじめせっかくノミネートされたのだから、アカデミー賞が欲しいのは分かる。だが通常のオスカー狙いのキャンペーンより力が入っている。徹底して大衆的で、アート系映画の匂いはない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:値上げ続きの高級ブランド、トランプ関税で

ワールド

訂正:トランプ氏、「適切な海域」に原潜2隻配備を命

ビジネス

トランプ氏、雇用統計「不正操作」と主張 労働省統計

ビジネス

労働市場巡る懸念が利下げ支持の理由、FRB高官2人
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    これはセクハラか、メンタルヘルス問題か?...米ヒー…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 10
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中