最新記事
レストラン

パセリを見たこともなかった僕が、チベットからNYに渡り由布院で総料理長になるまで 

The Restaurant That Calls You Back

2024年12月21日(土)14時45分
タシ・ジャムツォ(オーベルジュ「エノワ」のレストラン「ジングー」総料理長)

newsweekjp20241218112707-4090d492d1aa0703b2c39fd7cc42b38583ebc76e.jpg

小イカと3種のジャガイモの一皿 SATOKO KOGUREーNEWSWEEK JAPAN

ここで僕は、いま大分で実践していることの多くを学んだ。ジャガイモだけで10種類以上作って味を比べたり、味の合わせ方を考えたり。副料理長を2年間務めながら、18年には休みをもらってイギリスと日本に研修旅行にも出かけた。日本には3カ月いて、(千葉県の日本酒醸造・販売の)寺田本家で発酵を学び、和食やフレンチなどの店で働いた。この時の人や文化との出会いがとても良くて、日本に住んでみたい、働いてみたいという思いが強くなった。

野菜が主役のレストラン

昨年6月にオープンした大分県由布院のオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)「エノワ」で総料理長を務めることになったのは、ブルーヒルで食事をしたオーナーが日本にも同じようなコンセプトで、しかもオーベルジュを開業したいと言って、共通の友人タエコさんを通して声をかけてくれたから。僕もオーナーの思いに共鳴し、ブルーヒルを辞めて20年のコロナ禍直前に日本に移住した。そして由布院で自家農園を土から作り始めた。


僕らの畑では多品目・少量栽培で野菜やハーブを育てていて、その数は200種類以上。毎日畑に行って一番いい時に収穫し、取れた野菜を見てその日のメニューを考える。堆肥には牛糞(ふん)やもみがらのほか調理場で出る食品廃棄物、例えば地物のヒオウギ貝の殻を使い、ごみを出さない循環型農業を実践している。無農薬の有機栽培なので虫との戦いではあるけれど、お客さんには安全で栄養価が高く、何よりおいしい野菜を食べてほしい。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、最高人民会議代議員選挙を実施

ワールド

トランプ氏、ホルムズ護衛参加要請 日豪は現時点で派

ワールド

アングル:イラン戦争で空の便大混乱、「夢の休暇」一

ビジネス

中国の生産・消費指標、1─2月は伸び加速 中東情勢
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 9
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中