Joyce Lee Jack Kim

[ソウル 8日 ロイター] - トランプ米政権が先週発表した国家安全保障戦略(NSS)に北朝鮮の非核化目標が含まれていなかったことから、米国が2026年にも北朝鮮との外交関係を進展させる機会をうかがっているのではないかとの憶測を呼んでいる。

2003年に北朝鮮の核開発計画が表面化して以来、北朝鮮の核の脅威を終わらせるという目標は、歴代米大統領のNSSに一貫して盛り込まれてきた。

シンクタンクの韓国統一研究院(KINU)のホン・ミン氏は、トランプ氏が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との会談に「前向き」な意向を示しており、「何らかの行動を起こして成果を上げたい」と考えていると指摘した。「ここで非核化を持ち出す必要はないという意図があると思う」と述べた。

第1次トランプ政権が17年に発表したNSSでは、北朝鮮は「わが国」への脅威であり、「米国に対して核兵器を使用する」可能性のあるならず者国家だとして、文書中で16回にわたって言及されていた。

韓国と米国は8日、対北朝鮮政策の転換はないと否定し、非核化が依然として目標だと強調した。

トランプ、金両氏は18年と19年に首脳会談を行ったが、北朝鮮の核兵器保有を巡る交渉は決裂した。金氏は9月、再会談について、「米国が他国の非核化を求める不合理な要求を取り下げ、現実を認識してわれわれとの真の平和共存を望むのであれば、それと向き合わない理由はない」と述べている。

今回のNSSの発表を受けて、韓国では来年に北朝鮮との交渉再開に向けた好機が訪れるとの期待が高まっている。韓国の魏聖洛国家安全保障室長は7日、「われわれのこれまでの取り組みは、朝鮮半島の平和プロセスを前進させるための適切な条件を創出するという点で成果を上げてきた」と述べた。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。