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懐かしい映画をドラマに
郷愁と安らぎで客を呼ぶ
今の時代、エンターテインメントはどう見ても供給過多だ。書籍やテレビ、映画に加え、最近はYouTubeやゲームの実況配信が参戦。関心を引こうとしのぎを削るが、こちらは選択肢の多さに圧倒され、げんなりしてしまう。
となれば映画会社が移り気で、しかも減少する一方の観客を引き付けようと有名な過去作の焼き直しにすがるのも分かる。純粋なリメーク以外にも、「続編」や「リブート」、アニメの「実写化」といった既視感頼みのビジネスに、業界全体が力を入れている。
その筆頭が、例えば映画『ハリー・ポッターと賢者の石』のテレビドラマ化だ。
知名度が高く、郷愁をかき立てる名作のリメークは売り込みやすい。だがファンの間からは「オリジナルの出来がいいのに、なぜ作り直すの?」という疑問の声が上がる。
【ティザー予告】HBOオリジナル新シリーズ「ハリー・ポッターと賢者の石」2026年クリスマス
またリメークは、本家のレベルに達していないと一蹴されることもしばしばだ。ならばなぜ映画会社はせっせとリメークを作り、観客はそれを見るのだろう。
近年、複数のリメーク作品が圧倒的な存在感を示した。なかでもティモシー・シャラメ主演の『DUNE/デューン 砂の惑星』はオリジナルよりも、はるかに注目された。
1984年のデービッド・リンチ監督版は映画批評サイト、ロッテントマトで36%の低評価だが、2021年のドゥニ・ビルヌーブ監督版は83%の高スコアを獲得している。
スティーブン・スピルバ―グ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』も成功した。61年の『ウェスト・サイド物語』はロッテントマトで92%の評価を誇る傑作だが、21年のリメーク版も91%と、これに迫る健闘ぶりだ。