湖底から発見された2000年前の遺物が、古代の人々の日常生活や交易の実態を明らかにするかもしれない。
スイスのヌーシャテル湖から、ローマ時代の遺物数百点が回収された。
湖上を走る船に積まれていたと思われるこれらの遺物には、陶器、武器、道具、馬車の部品などが含まれていた。
これらの遺物は2024年に行われた湖の調査中に発見された。ドローンとソナーによる地形測定を用いた結果、湖底に考古学的遺物の存在を匂わせる異常な構造が確認されたのだ。
調査の結果、積荷を運んでいた船自体は未だ発見されていないが、遺物は水中で良好な状態で保存されていたことが判明。その後、海洋探査と知識の普及を目的とするスイスの財団オクトパス・ファウンデーションが、ヌーシャテル州考古局と協力し、現場の保護と慎重な発掘作業に着手した。
回収作業は2025年3月から複数回実施され、最終的に約1200点の遺物が回収された。水中から引き上げた後に空気に晒され急速に劣化することを防ぐため、迅速な安定化処理が不可欠だったという。
遺物の内容から、これらはこの地域で活動していたローマ軍に向けたものだったと考えられている。
具体的には、スイスの高原地帯で生産された陶製の皿、鉢、杯が多数含まれていたほか、スペイン産のオリーブオイルを運ぶためのアンフォラ(陶器の一種)も見つかった。これらの輸入品は、地域社会が地中海の交易ネットワークと密接に結びついていたことの証左だ。
他にも、3本の剣(うち1本は革製の鞘に収められたままだった)のほか、金属製のつるはしも発見された。
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