最新記事
音楽

世界でもヒット、話題の『アイドル』をYOASOBIが語る

2023年12月1日(金)16時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

nwyoasobi2.jpg

「夜に駆ける」(2019年) 原作は、星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』。Ayaseは、「YOASOBIではバンド時代とは違うやり方をしようと思い、レーベル担当者のフィードバックを参考に、あらかじめ20~30曲つくった中から素材をつぎはぎして曲を完成させました」と話す © Sony Music Entertainment ( © Sony Music Entertainment (Japan) Inc. Japan) Inc.

Ayaseの世界観をポップスに昇華させていく過程でikuraのボーカルが果たす役割は計り知れない。今年リリースされた「アイドル」は、そんな2人の化学反応が存分に感じられる一曲だ。

「もともと自分はヒップホップが好きだったので、いつかYOASOBIでもやってみたかったんです。ただ、ikuraがラップをした時にどうなるかは正直読めなくて。で、スタジオで本人に『アイドルらしく超ぶりっ子にしてみよう』と伝えつつレコーディングしてみたら、すごくよい仕上がりになりました」(Pen誌2024年1月号より)

これまでの楽曲で見せたことのない狂気的とも言えるラップを披露したikuraは、その意図を次のように語る。

「誰しももっている、自分ではコントロールできない本能の部分を意識的に引き出す。この曲のボーカルは時折裏返っていて、情けなく聞こえる部分があるかもしれない。だけど、YOASOBIでは、人に見せづらいところも含めて曝け出そうと決めているので、最後までやり切りました」(Pen誌2024年1月号より)

いわく言い難い感情への解像度の高さと、時代の空気をポップスに昇華させる才能で、いまを生きる人の「リアル」を表現する2人。YOASOBIを通してJポップを海外に浸透させることをミッションとする彼らの物語は、まだ始まったばかりだ。

その1年に活躍したクリエイターをたたえる「Penクリエイター・アワード」。第7回を迎えた今回は、編集部の選考によって6組が受賞。類いまれな創造性を発揮し、人々の心を動かしたクリエイターたちの名が連なっている。

YOASOBIのほかには、女優の安藤サクラ、脚本家の宮藤官九郎、作家の小川哲、建築家の永山祐子、『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』共同創設者・共同ディレクターのルシール・レイボーズ&仲西祐介が受賞者となった。

【参考記事】Jポップを世界へ、"いま"と向き合うYOASOBIが語った「アイドル」に込めた想い


●Pen CREATORS WEEK
Pen クリエイター・アワード2023の企画展⽰。「クリエイター・アワード」の受賞者や、WEBの連動企画「BREAKING」に登場したクリエイターの紹介、作品公募×ワークショップのプロジェクト「NEXT」で制作した作品のお披露⽬も。
https://www.pen-online.jp/special/pca2023/

2023年12月1日(金)〜7日(木)
7:00 〜 22:00 | 入場無料
※ 代官⼭ 蔦屋書店の開店時間に準ずる
代官山 蔦屋書店 シェアラウンジ
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町17-5
DAIKANYAMA T-SITE 蔦屋書店3号館 2階
東急東横線「代官山駅」より徒歩5分

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン氏「圧力に屈せず」、ロに長距離攻撃なら「深

ワールド

米政権、航空便の混乱悪化を警告 政府閉鎖長期化で

ワールド

トランプ氏、サンフランシスコへの州兵派遣計画を中止

ワールド

トランプ氏、習主席と30日に韓国で会談=ホワイトハ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 4
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 9
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中