スターの特権を悪びれずに利用...ショーン・ペンからゼレンスキーへのラブレター映画『スーパーパワー』は「見事な作品」
Sean Penn’s Ukraine Testimony
『スーパーパワー』はあからさまなプロパガンダ映画だ。ゼレンスキーへのラブレターであり、名声や富を利用して、特定の政治的立場を宣伝する映画スターならではの特権を悪びれずに行使している。
本作は「ショーン・ペン」についての映画と言ってもいい。もっとも、そこにいるのは視聴者の代理であるペンだ。彼は何も知らずにウクライナへ来て、恐ろしい事態を目にし、優れた指導者と対面して大義の擁護者になる。それをあざ笑う人もいるだろうが、ペン自身は誠実で、心から感銘を受けているように見える。
戦時下のウクライナの恐怖と勇気を描き出すドキュメンタリー映画なら、『マリウポリの20日間』がある。ウクライナ国民の間に再び芽生えた自由や独立への渇望の原点を知りたいなら、親ロ派政権を倒した14年のマイダン革命を描いた『ウィンター・オン・ファイヤー:ウクライナ、自由への闘い』を見るといい。
その一方で、ペンは自分なりの探求を見事に映画として記録した。そんな作品が存在してもいいではないか。