最新記事
韓国社会

告発する国、韓国 MeTooから拡大、芸能人の「黒歴史」暴かれる

2020年1月8日(水)20時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

過去の黒歴史を告発された韓国の人気女性歌手ヒョリン JTBC News / YouTube

<性暴力の告発から始まったMeTooの動きは、日本そして韓国にも大きな影響を与えている>

1月7日、ニューヨーク・マンハッタンの裁判所で、ハーヴェイ・ワインスタインの裁判が始まった。映画界のみならず世界に衝撃を与えた事件は、「#MeToo」という性暴力告発運動を巻き起こすきっかけとなった。

世界中に広がった「#MeToo」だが、日本ではそれ以上に職場での長時間残業や精神的な苦痛を与えるハラスメントが社会問題化。さらにはそこから拡大して、麺類を音を立ててすする「ヌードルハラスメント」、職場などでお菓子を配らない、あるいは好きではないのに食べることを要求する「お菓子ハラスメント」など、従来あったパワハラやセクハラ以外にも、今やさまざまな「〇〇ハラスメント」が増加している。インターネットで検索してみると、30~50種類以上さまざまなものがあるようだ。

一方、お隣りの韓国では「#MeToo」という言葉から派生した様々な「〇〇Too」が登場した。なかでも2019年ニュースでも取り上げられて話題となったのが「学Too(학투)」と「ビッ(借金)Too(빚투)」だ。学Tooとは、その字の通り学校時代のいじめなどに関連する訴えである。学生時代いじめられた経験のある人が、SNSで過去の体験を暴露し始めている。また、ビッ(借金)Tooは、本人もしくは家族や親せきが作った借金や、詐欺行為を暴露されるという意味である。

この2つの言葉が広まったのは両方とも芸能人へ向けた訴えからきている。現在人気者になって輝かしくTV画面に登場する芸能人に、過去いじめられた経験がある人やお金を貸したのにいまだに返済されておらず悔しい思いをしている人たちが、SNSの力を利用して「〇〇Too」と訴え始めたのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

メキシコ海軍の訓練船、ブルックリン橋に衝突 2人死

ワールド

米最高裁、敵性外国人法での不法移民送還差し止め継続

ワールド

イスラエルとハマスが停戦交渉再開、ガザでは72時間

ワールド

トランプ米大統領、19日にロシア・ウクライナ首脳と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 5
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 6
    配達先の玄関で排泄、女ドライバーがクビに...炎上・…
  • 7
    米フーターズ破綻の陰で──「見られること」を仕事に…
  • 8
    大手ブランドが私たちを「プラスチック中毒」にした…
  • 9
    メーガン妃とヘンリー王子の「自撮り写真」が話題に.…
  • 10
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 8
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 9
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 10
    宇宙の「禁断領域」で奇跡的に生き残った「極寒惑星…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中