最新記事

映画

「アイル・ビー・バック」のせりふと共にターミネーターの時代が終わった

Now Time for Termination?

2019年11月14日(木)19時00分
デーナ・スティーブンズ

28年ぶりに顔を合わせたハミルトン(左)とシュワルツェネッガー(右)は最新型ターミネーターと戦う ©2019 SKYDANCE PRODUCTIONS, LLC, PARAMOUNT PICTURES CORPORATION AND TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

<新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』の魅力はかつての登場人物を見る懐かしさとアクションだけ>

1984年、ごく平凡な生活を送っていた若い女性の前に、100%人間でもなく100%機械でもない存在が未来から現れた。

35年が過ぎ、女性は中年となった。その間にいい時(1991年の『ターミネーター2(T2)』)も、悪い時(2009年の『ターミネーター4』)も経験した。けれども、最初の出会いの余韻が消え去ることはなかった。

これは映画『ターミネーター』シリーズの最初の2作でリンダ・ハミルトンが演じたサラ・コナーのことだ(「4」は声のみの出演)。彼女は28年ぶりに、シリーズの新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』(ティム・ミラー監督)に出演している。

だが、これは同時に私自身についてのことでもある。まだ10代の時に最初のターミネーターの斬新な映像と新鮮なキャラクターに興奮し、数年後にT2の最先端の特殊効果と鋭い社会風刺にやられた。ハミルトンが去ると、私はシリーズへの関心をすっかり失ってしまった。

30年たった今、私もサラも当時よりも強くなったが、より慎重にもなった。世界の終末が目前に迫っているときに、「死にたくなければついて来い」というさび付いたメッセージを繰り返されるだけでは、満足できない。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』では、シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロンが、プロデューサー兼共同脚本家として戻って来た。彼は出来の悪かった何本かの続編を記憶から消す機会を観客に提供している。

ヒロインの寂しい帰還

新作はシリーズの世界をT2の最後まで巻き戻す。サラ・コナーと息子ジョンが、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるアンドロイドの助けを借りて戦い、自我を持つコンピューターネットワーク「スカイネット」が地球を支配するという未来を阻止することに成功したところだ。

映画のオープニングのフラッシュバックでは、T2の悲劇的な最終章が映し出され、そこから場面は22年後のメキシコシティに跳ぶ。日常を過ごす罪のない人々の前に、またもや宙に浮かぶ青い球体から未来からの使者が突然、裸で現れる。

今回登場するのは、テクノロジーによって能力を強化された女性兵士グレース(マッケンジー・デービス)。彼女の目的は若い女性工場労働者のダニー(ナタリア・レイエス)を守ることだ。

守ると言っても、いったい何から? その答えは、2つ目の青い球から最新型ターミネーターのREV-9(ガブリエル・ルナ)が現れると明らかになる。REV-9の最強の技は、にじみ出る黒い物質を鋭利な武器の形をした手足に変えることだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン無力化すれば原油価格は大幅に下落、トランプ氏

ビジネス

ベトナム、4月以降減便も イラン戦争で航空燃料不足

ワールド

トランプ氏訪中巡り米と協議 ルビオ長官の入国容認示

ビジネス

インド、2月の貿易赤字縮小 中東緊迫で供給懸念も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中