最新記事
セックス

韓国男子、性との遭遇 日本のAVから性教育での仏「過激」映画まで

2019年9月11日(水)18時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

newsweek_20190911_180039.jpg

問題となった教師に対し賛成、反対の論争を呼んでいることを伝える韓国メディア 광주MBC뉴스 / YouTube


教師は、この映画を通して弱い女性の立場を生徒たちに学んでほしかったのだろう。しかし、この映画を上映後、一部の学生が不快感を示したと報告があり、光州市教育省がこの教師の調査を警察に依頼するに至った。その後、この教師を支援する市民団体によって警察署前でデモが行われ、13日には光州市教育省内で教師自身によって当時の授業が再現された。

韓国メディアOhmyNewsは、問題となった短編映画の監督エレノア・プリアートにインタビューを行っている。プリアート監督は自身も女性という立場で「差別とは何か、男性に自身の体を通して感じてほしかった」とし、今回の問題については「意味のない争いはやめて、その代わり女性たちが受けている差別と闘ってほしい」と訴えた。

今回の教師は性教育の現場で、マイノリティや弱者への視点を気付かせるためにこの映画を上映したのだろう。しかし、この映画の性の描き方はあまりにも極端で、まるで世界中の男性は野獣であり乱暴者で、気に食わないことがあるとナイフをちらつかせレイプをする、といった描き方だ。

いくら規制やモザイクをかけても、ネットなどで簡単に無修正のAVがダウンロードでき、AV制作の裏側までもが作品として取り上げられるようになった今、子供たちへの性教育は、ある意味で「リアル」と「ファンタジー」をきちんと区別させるため、これまで以上にとても重要になっていくだろう。

AVが「極端なファンタジーを描く映像」なら、対照的な「性についての考えのベースとなる性教育としての映像」を授業で使用するのは賛成だ。しかし、今回のように「男女逆転」で、「片方の性別の役割を極端に乱暴で悪者」に描いた映画を、まだ多感な中学生の性教育の授業で使用するのは、少し偏りすぎた"劇薬"だったのではなかっただろうか。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

フィリピン、大型台風26号接近で10万人避難 30

ワールド

再送-米連邦航空局、MD-11の運航禁止 UPS機

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中