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本を読むなら、自分の血肉とせよ。『三行で撃つ』著者の「抜き書き」読書術

2021年3月11日(木)17時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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近藤康太郎氏の「抜き書き帳」 撮影:朴敦史

そのとき、自分だけの思考が生まれる。そうすると、自分だけの「転」が書ける。

著者は2002年から銀座・伊東屋の決まった手帳に「抜き書き」を始めた。現在、「抜き書き帳」は27冊になる。

最後に、『三行で撃つ』から、抜き書きの効果を2つ紹介しておきたい。なぜ、抜き書きをするのか。

ひとつに「抜き書きをすると、自分が〈分かる〉」から。1冊分のテクストから、何らかの思考に基づいて自分なりにフレーズを切り取る。その作業によって、自分が興味を持っていること、感動すること、そして自分にあった問題意識が可視化される。

もうひとつに「抜き書きをすると、自分が〈変わる〉」から。自分の脳内の知にネットワークができると、そのネットワークが新しい何かを引っ張ってくる。すると、自分の中になかった何かが現れる。意外な自分になる。

著者曰く、「抜き書き帳とは、〈あなたでないあなた〉への召喚状」なのである。


三行で撃つ――〈善く、生きる〉ための文章塾
 近藤康太郎 著
 CCCメディアハウス

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