世界3位の電子廃棄物国インド、レアアース確保のため規制強化で路地から電子ごみ業が消えていく
デリー北東部の雑多な路地裏をぬけた先にある薄暗い部屋で、シャージャハーンさん(32)は床に座り、ナイフで電線の皮を剝いでいた。写真は電子廃棄物を解体し、リサイクルする男性。4月、アーメダバードで撮影(2025年 ロイター/Amit Dave)
デリー北東部の雑多な路地裏をぬけた先にある薄暗い部屋で、シャージャハーンさん(32)は床に座り、ナイフで電線の皮を剝いでいた。そばでは彼女の子ども2人が銅を選別し、破片でつまずかないよう注意しながら室内を動き回っていた。
シャージャハーンさんは小規模のスクラップ業者から持ち込まれた電子廃棄物を分解し、1日に数百ルピー(数百円)を稼いでいる。
だが、その収入は減りつつある。電子廃棄物の多くが首都近郊にある政府の認可を受けた工場に流れ、入手できる廃棄物が減っているためだ。
シャージャハーンさんはファーストネームだけを明かして取材に応じた。
「もし仕事がなくなったら、どうすればいいのか」
インドでは、太陽光パネルや電池、電気自動車(EV)の主な材料となる銅などの鉱物をより多く回収するため、非正規リサイクルの取り締まりが広がっている。
こうした動きは、デリー東部シーランプー地区の人々に大きな損失をもたらしている。
環境保護団体「トキシック・リンクス」が2019年に発表した報告書によると、デリーに5000カ所ある非公式の電気電子機器廃棄物(電子廃棄物、e-waste)リサイクル場のうち、半数以上がシーランプー地区に位置しており、同地で暮らす何万人もの生活を長年支えてきた。
<鉱物探し>
国連の24年の報告書によると、インドは中国、米国に次ぐ世界第3位の電子廃棄物排出国で、昨年の排出量は政府のデータでは175万トンに上る。






