「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税」...なぜ他国には真似できない?

2025年11月29日(土)12時21分

自宅(主たる居住用住宅)は評価額から75%の控除を受けられ、株式と商業用不動産は20%の割引評価となる。国外資産も課税対象に含まれるが、負債は控除可能だ。

ノルウェーを離れると、300万クローネを超える含み益に対して37.8%の「出国税」が課される。値上がりしているがまだ売却していない資産の含み益などがその対象となる。出国者が納税を無期限に先送りできる抜け穴は、24年に閉じられた。

制度の変更は、富裕層の動きも変え、それまで少しずつ続いていた国外流出は勢いを増した。保守系シンクタンク「シビータ」のデータによれば、資産が1000万クローネを超える居住者のうち、22年には261人、2023年には254人が出国した。いずれも税率引き上げ前までの典型的な水準の2倍を超える。

経済誌カピタルが毎年発表するノルウェー長者番付(400人)のうち、現在105人が海外に居住しているか、あるいは資産を国外在住の親族に移している。同誌に掲載された一部の富裕層の顔写真は、(富裕層に厳しい態度をとる)野党の小政党・社会主義左派党の事務所にある「恥さらしの壁」に貼り出されている。

賛成派の主張:平等と財源

富裕税の支持者は、富裕税を再分配の「最後の砦」とみる。ノルウェーは2014年に相続税を廃止したうえ、石油、海運、漁業によって世界有数の富裕国となった。

同国は石油・ガス産業からの収益をすべて政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)に繰り入れ、財政規律として、そこからの年間取り崩し上限額をファンドの時価総額の3%に制限している。

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