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省エネのカギは「運用」にあった...AIでビルを「無駄なく動かす」リトアニア企業、日本展開も視野に

2025年10月7日(火)18時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

──利益が出ないサステナビリティ活動は「持続可能」と言えるか

カルチャウスカス氏:本来、法律や規制の側で企業が環境対策を実行するよう義務づける必要があると思う。ただし、それが形だけの「グリーンウォッシング」になってはいけない。

サステナビリティは、経済的利益と両立してこそ意味がある。正しい取り組みであれば、環境への配慮と企業の収益性は両立できる。

私はサステナビリティを、企業の利益追求とは別のものとして扱うべきではないと考えている。

重要なのは、書類や方針づくりではなく、実際に行動することだ。現場での運用改善やエネルギー削減のような「本物の取り組み」こそが価値を生む。逆に、形式的なルールに縛られてしまうと、本来の目的が見失われてしまう。

最終的に、企業は利益を出す存在であり、サステナビリティはそのプロセスの中に自然に組み込まれていくべきだと思う。

──AIへの「丸投げ」に不安を持つ利用者もいる。説明可能性や人の関与はどう担保するのか

カルチャウスカス氏:AIと人の協働こそが、建物運用の信頼性と効率を両立させる鍵だ。AIはあくまで人の意思決定を支援する存在であり、最終判断は常に人が担う。

解析や提案、工数削減といった部分でAIが力を発揮しつつも、人間のエンジニアが常に監視・検証・承認を行う体制を保っている。人の監督下で「望むことだけを自動化する」という姿勢が、Exergioの設計思想の根幹にある。

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