最新記事

金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因とは...金相場はまだ上がる? それとも下がる?

Gold Price Hits Record High—What It Says About US Economy

2025年9月5日(金)18時00分
ヒュー・キャメロン

金相場はどうなるのか?

FRBが9月中旬、利下げに踏み切るとの見方がほぼ確実視されており、それも金への追い風となっている。

利下げは国債のような利回り資産の魅力を相対的に減らす一方、金のような無利息資産の魅力を高める。米国の先物取引所運営会社、CMEグループが提供するCMEフェドウォッチによれば、9月に0.25ポイントの利下げが行われる可能性は98%に達している。


「金の強さは、投資家がFRBの次の一手に備え、不確実な環境下でリスク管理を行っている証拠だ」と、ロンドンに拠点を置く金市場における非営利シンクタンク、ワールド・ゴールド・カウンシルの北米担当上級市場ストラテジスト、ジョセフ・カヴァトーニは語った。

「その焦点は分散投資にある。関税やドル安も金の強さの要因ではあるが、より重要なのは、投資家が安全資産へとシフトしているという点だ」

専門家たちによれば、最近の金価格の上昇は、他国の中央銀行による買いが大きく寄与している。特に東アジア、ヨーロッパ、中東の中央銀行が、米国債の保有を削減し、その分を金に振り向けているという。

米タフツ大学の国際経済学教授、マイケル・クラインは、各国の中央銀行がトランプ政権下のアメリカ情勢を鑑みて、ドル建て資産を大量に保有することに対して警戒感を強めていると指摘。ドルの代わりに、より信頼できる金を選んでいると分析する。

トランプの内政・通商政策は、アメリカ経済の安定性とその運営に対する懸念を背景に、国外の資金をさらに金市場へと向かわせている。

専門家の間では、現時点で金の上昇基調を崩すような材料はほとんど見当たらず、年内は3500ドル超の水準を維持するとの見通しが優勢だ。

ニューズウィーク日本版 高市vs中国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月27号(1月20日発売)は「高市vs中国」特集。台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

印タタ商用車部門、10─12月は60%減益 分社化

ビジネス

午前のドルは153円後半に上昇、「ウォーシュ次期F

ビジネス

商船三井、26年3月期業績予想を上方修正 純利益は

ビジネス

マスターカード10─12月利益・売上が予想超え、人
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 6
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 7
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 8
    配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本…
  • 9
    致死率高い「ニパウイルス」、インドで2人感染...東…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 8
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中