金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因とは...金相場はまだ上がる? それとも下がる?
Gold Price Hits Record High—What It Says About US Economy
連邦準備制度理事会(FRB)は「板挟み」状態
「不確実性、不確実性、そしてまた不確実性だ」。金融サービス会社、ストーンX社の貴金属市場分析部門を率いるローナ・オコンネルは、今年の金価格上昇の背景を問われて答えた。
「アメリカ経済は意外にも堅調だが、連邦政府の債務は今やGDPの126%に達している」
さらに、財政的な圧力と差し迫る債務上限の問題により、連邦準備制度理事会(FRB)は「インフレ圧力と債務返済コストの間で、極めて難しいかじ取りを強いられている」と指摘した。
このようなFRBの長期的な財政負担に加えて、金がリスク回避の手段として注目されている理由がもう一つある。トランプによる中央銀行の独立性に対する攻撃だ。
トランプの中央銀行への攻撃は、金融政策の政治化への懸念を引き起こし、ドルへの信認を毀損している。
ここ数か月、トランプはパウエル議長に対し、利下げを求める圧力をかけ続けており、発言や法的措置を通じて連邦準備制度への攻撃を強めてきた。
最近では、モーゲージ詐欺(不動産を担保にしたローンを名目とした詐欺行為)の疑いを理由にリサ・クック理事を解任。このような行為も中央銀行の政治的自立性を損なう行為として受け止められた。
「FRBの独立性に対する極めて明白な攻撃だ」と、ブリオンボールトのアッシュは述べる。
「長期的に見て、これこそが金価格の高騰に火をつけた主因だろう」