あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに トランプ関税がトドメ刺す
Americans Are Losing Interest in Buying a Car
一方、新型コロナウイルスの大流行以降、修理やメンテナンスのコストも高くなっている。サプライチェーンの混乱や、ドライバーの無謀な運転が増えていることもコスト高騰の一因だ。自動車保険は近年高騰し、消費者金融サービス会社バンクレイトによれば、平均的な保険料は年間2685ドルで、前年比約12%増となっている。
こうしたコスト増は、アメリカの景気が年内にも後退するのではないかと身構えるアメリカ人の肩に重くのしかかっている。
金融会社ウォレットハブの最近の調査によると、今後6カ月以内に車を購入すると予想するアメリカの消費者の割合は、4月の時点で前年同月比13.4%減少した。トランプの関税措置が米経済と自動車製造業に与える影響に対する懸念が広まったことが一因だ。
「自動車は、消費者が購入を考えるもののなかで最も高価なアイテムのひとつであり、経済不安が渦巻く現在の状況では、自動車購入をためらうのも無理はない」と、中古車業界分析サイトiSeeCarsのエグゼクティブ・アナリスト、カール・ブラウアは本誌に語った。
「アメリカで販売される自動車は、国内工場で生産されるモデルでさえ、輸入部品に依存している。 輸入車と輸入部品の両方に関税が課されれば、車両の生産コストが上昇し、自動車メーカーは値上げを余儀なくされるだろう」