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中国経済

「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ下で価格競争激化

2025年3月24日(月)22時00分

北京のあちこちで、アンさんらのチームは閉店した飲食店からいすやオーブン、保管庫、調理用の台車を積み上げ、フォークリフトを使って一部を車両に積んで運び出した。現場の1つでは、購入者がテーブルを運び出した。

アンさんは24年の売上高が前年より2割超減ったと説明する。ドリンクショップやベーカリーといった設備投資が少なくて済むような小規模で、経費のかからない店舗が開店する割合が高まったからだ。


 

北京の五輪公園近くの閑散としたモールで、パン店チェーンのフランチャイズ店の元経営者は1年2カ月で店を畳むことになった理由は月5万元(6900ドル)という高い賃料と、人通りの少なさのせいだったと嘆く。

元経営者は「隣に似たような商品を扱う店があり、味は劣るものの10元安い。通常の人たちは基本的に安い方を買う」とし、「みんなお金がないんです。あるいはあったとしても、以前のようにお金を使いたがらない」と語った。

悪循環

アナリストらによると、中国の飲食店の「平均寿命」はわずか500日程度で、北京では1年に過ぎない。自治体の統計によると、北京の飲食店の2024年上半期の利益は前年同期より88%減った。

アンさんは激烈な価格競争と、飽きた顧客を引き付けるためにメニューを絶えず変えないといけない中で、多くの店が生き残りに苦労していると指摘。多くの店が客1人当たり約70―80元にまでコストを削減せざるを得なくなっていると明らかにした。

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