最新記事
ビジネス

「幸福度が高く、成果も出せるチーム」は、何が違うのか? ポーラ幸せ研究所が見つけた「7か条」

2024年4月18日(木)17時34分
flier編集部
チームビルディング

metamorworks/iStock

<経営でも課長のマネジメントでもサッカーチームの運営でもチームビルディングは永遠の課題...。株式会社ポーラの及川美紀社長にインタビュー>

株式会社ポーラの社長である及川美紀さんは、同社の経営理念にある「永続的幸福」の追求のため、2021年に「ポーラ幸せ研究所」を立ち上げました。目的は、幸せのメカニズムを科学的に分析し、ポーラでの実践を重ねて得た知見を社会に提供すること。その集大成が、ポーラ代表取締役社長を務める及川美紀さんと、幸福学の研究者である前野マドカさんの共著『幸せなチームが結果を出す』(日経BP)です。

幸せで成果の出せるチームづくりの秘訣とは? 及川さんはどんなリーダーシップを大事にしているのか? 人生に影響を与えた本とともにお聞きしました。(※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)

「チームビルディングは永遠の課題」、ポーラ社長拝命で痛感したこと

──及川さんが『幸せなチームが結果を出す』を執筆されたきっかけは何でしたか。

きっかけの1つは、ポーラの社長を拝命したときにさかのぼります。「及川さんには足らないところがたくさんある」「あなたには変えたいことがあるんでしょう」といわれたんです。これは、周囲の優秀な人たちとチームをつくって新しい価値をつくり、変えたいことを変えていきなさい、というメッセージだと受け取りました。そのとき、経営でも課長のマネジメントでもサッカーチームの運営でも、チームビルディングは永遠の課題だと気づいたんです。

社長就任から数か月でコロナ禍になり、ポーラは会社存続にかかわる危機を迎えました。ポーラショップの強みは、お客様の手に触れ、対話を重ねて商品を販売するプロセス。こうした価値が届けられなくなってしまったのです。

ポーラショップを運営するビューティーディレクターたちは個人事業主。月々の売上が減るとその分収入が途絶えてしまう。そんな状況下で、自分たちができることを見出して未来に向かうチームと、「会社はどうしてくれるのか」と他責の思考になりがちなチームとに分かれていったのです。

前者のチームは、「こんなときでも来てくれるお客さまや一緒に働く仲間がいる」と、手元にある資産に目を向けて、自分たちでできることを探していった。すると、どのチームもコロナで売上が下がったのに、リカバリーで差が出てきたんです。

ポーラの幸せ研究所の調査では、未来に向かっていくチームは、メンバーの幸福度が高く成果も出るチームでした。しかも、ポーラショップで働く人と一般の働く女性の幸福度を比較したところ、前者のほうが幸福度が高いことがわかりました。

個人事業主であるビューティーディレクターたちが、なぜこんなにも幸福度が高く、チームとして現場を支えているのか。これを解き明かすなかで見えてきた「幸せなチームづくりの7か条」を、会社に限らずさまざまなチームに知ってもらいたい。それが本書の執筆動機でした。

幸せなチームが結果を出す
 著者:及川美紀、前野マドカ
 出版社:日経BP
 要約を読む

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国財政省、国家債務管理部門を新設 地方政府の「隠

ビジネス

MS、UAEに150億ドル投資 エヌビディア製半導

ワールド

米航空便の遅延急増、航空管制官の欠勤増加 政府機関

ビジネス

スターバックス、中国事業経営権を博裕資本に売却へ 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中