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「東大クイズ女王」河野ゆかりが「読み終えたその瞬間から世界の見え方がガラリと変わる」と出合いに感動した1冊!

2024年1月8日(月)09時00分
朴順梨(ライター)

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photo:遠藤宏

「小学生の頃の好きな科目は体育で、本当に毎日休み時間になったら、一番に運動場に走っていくような子供でした。6年生ぐらいまでは、真剣に「将来はスポーツ選手になりたい」って言っていたんです。全然現実味を帯びてもいないし、具体的に取り組んだりはしていませんでしたが、漠然とバスケットボール選手に憧れたりとかしていて。中学生になってもまだ、学校生活を楽しむタイプでした。でも中三の時に若年性アルツハイマーをテーマにした『明日の記憶』という映画を見て。それがきっかけで医学というものを意識するようになりました」


入学1年目は毎日が忙しく過ぎて行ったが、2年生からの3年間はコロナ禍のまっただ中で、通学もままならなかった。しかしこの時期にテレビに出る決断をしたことで、彩りを失わずに日々を過ごして来たそうだ。

「当時、友人が東大王メンバーとして出ていたので番組を知っていたのですが、ちょうどその時に新メンバーの募集があって。まさか自分が合格すると思っていなくて、オーディションも「試しに行ってみるか」みたいな感じで。」2年生になった2020年1月から準レギュラーで参加することになったので、コロナ禍でも毎日楽しく過ごせましたね。私はクイズ経験者ではなかったし、「東大生だから何でも知ってて当たり前」と思われるかもしれませんが、受験とクイズは求められるものが違います。だから最初はプレッシャーがあったけれど、慣れるに従って楽しめるようになってきました。この本の中に「何もしなければなにも生まれない」とありますが、まさに私とクイズの出会いはそれだって思います」

この本を知っているのと知らないのでは、未来が違ってくる

ほかにも河野さんは「最後は万事うまくいく。うまくいってないならそれは最後ではない」という言葉に、強く心を動かされたと語った。万事うまく行っているように見える河野さんにも、「うまくいってない」と思うことがあったのだろうか?

「大学一年から二年にかけて、マレーシアにおけるデング熱の罹患者を減らそうというプロジェクトに参加したんです。私は他のメンバーを率いる立場で関わらせていただきましたが、コロナ禍でマレーシアに行くのが難しくなってしまって。そうこうしているうちに、「渡航できないままだと、予算が無駄になってしまう」などのリスクばかりに目が行くようになり、身も心も動けなくなってしまいました。結局諦めてプロジェクトからも離れてしまったことが、ずっと心残りで。もっと粘ればよかったとか、失敗したとしてももう少しできたことはあったかもしれないとか、今でも悔やむ気持ちがあります。あの頃に『新版 20歳のときに知っておきたかったこと――スタンフォード大学集中講義』と出会っていれば、結果は変わっていたかもしれない。だから私の中学生の妹と小学生の弟に、ぜひこの本を渡したいと思っています。20歳までにここに書いてあることを知ってから動くのと、何も知らずにいるのでは、10年後20年後が違ってくると思いますから」

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