最新記事
長期投資

パックン流投資術「20年待てば、上昇確率100%」何もしない投資が一番の理由

Reward for Patience

2023年12月26日(火)18時35分
パックン(コラムニスト、タレント)

いやいや、無理無理......って? そのとおりだ。

だが、先読みで勝負するとき、対戦相手はそういうことをやっているはずだ。

アメリカの株式取引の約8割は、機関投資家によるもの。日本もおおよそ、そのくらいの割合だ。株を取引するとき、あなたと逆の読みをしている人は「霊長類最強」級のトレーダーかも。

芸人の僕は短期の株売買でプロに勝てると思わない(ショートコントの勝負なら頑張るけど)。

そもそも社長的な作業もリスクも嫌だし、株価で一喜一憂したくない。オチているか気にするのはネタだけでいい。

しかし、経済的な安心を得るため、オーナーにはなりたい。そんな人へ勧めたいのが「インデックスファンド」。

日本の日経平均やアメリカのS&P500種などの株価指数と同じ株式構成の投資信託のことだ。

投資の正解は「待機&待機」

例えるなら、競馬で1頭の単勝に賭けるのが個別株の短期投資なら、インデックスファンドは全ての出走馬の馬券を持つようなものだ。

もちろん、そんな作戦は競馬じゃ成立しないよ。だが株式ならできる。競馬と株式は違う! だったら競馬に例えるなって? それはそうだが、この違いも理解していただきたい。

負けた人のお金で儲かるギャンブルと違い、株式市場は企業の収益や成長で儲かる。

「勝ち」ならぬ「価値」の世界だ。

企業同士の競争はもちろんあるし、失敗して消える会社もある。

だが、その傍らで勢いのある新しい「馬」が登場するし、こういうファンドは価値が上がる企業への投資額が自動的に増える仕組みになっている。その上、市場は拡大するので複数の「勝ち馬」がいて、先読みしなくても自然にそれらに乗れる仕組みだ。

競馬場で全ての馬券を買うなんてばかだが、この「全馬券投資法」はとても堅実だ。

では、ファンドを買ってからどうする? 

正解は「待機」。

これも大事なリスク対策だ。上記のとおり、マーケット全体は強いけど、もちろん相場が下がることもある。だが、待てば待つほど上がる確率が高い。

例えば、アメリカの市場全体のファンドを適当に、タイミングを計らずに買って一定の期間を置いてから売ることにしよう。

歴史的に見ると、1日しか待たなければ買値より高く売れる確率は約52%しかない。コイントス並みのオッズだ。ただ1年間待てば上がる確率が約70%、10年だと約90%に上がる。20年待つと、なんと上昇する確率は100%なのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=

ビジネス

GM、通期利益予想引き下げ 関税の影響最大50億ド

ビジネス

米、エアフォースワン暫定機の年内納入希望 L3ハリ

ビジネス

テスラ自動車販売台数、4月も仏・デンマークで大幅減
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中