最新記事
ビジネス

長蛇の列、乱暴な運転...日本のタクシー業界に苦言を呈する堀江貴文が「ライドシェア解禁はウィンウィン」と言う理由

2023年8月22日(火)11時50分
堀江貴文(実業家)
堀江貴文

写真:徳間書店提供

<プロのドライバーだからといって運転が上手いわけではないし、ドライバーも高齢化している! 実業家の堀江貴文氏が「タクシートラブルが減る」と太鼓判を押すサービスとは>

※本稿は、『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』(堀江貴文・著、徳間書店)の一部を抜粋・再編集したものです。

◇ ◇ ◇

一般ドライバーが自家用車を使い、タクシー営業をするライドシェア(相乗り)サービス。アメリカや東南アジアではすっかり浸透し、日常的な交通手段になった。

アメリカのUber(ウーバー)、Lyft(リフト)、中国のDiDi(ディディ)、シンガポールのGrab(グラブ)といった配車アプリを提供する企業の業績も右肩上がりだ。

このライドシェア、日本ではいまだに禁じられている。Uber の配車サービスはあるが、その対象はあくまで普通のタクシーだ。一般ドライバー(一種免許)のタクシー営業、いわゆる白タク行為は違法あつかいだ。

ライドシェアだと運賃が安くなるし、配車もスムーズだ。メリットはあってもデメリットはない。

ではなぜ日本は規制しているのか。その背景にはタクシー業界の反発がある。既得権益を守りたい彼らの強力なロビイングがライドシェアの解禁を阻んでいるのだ。利用者にとっては百害あって一利なしだ。

雨の日、タクシー乗り場には長蛇の列ができる。乗客は傘をさして何十分も待たされる。一時的な需要増にタクシー会社が対応できないせいだ。

もしライドシェアがあればそうはならない。乗客は次々と車に乗り込んでいくだろう。空き時間にUber Eats(ウーバーイーツ)の配達員として働く人がいるように、「今日は雨だから2時間だけUber で稼ぐか」とマイカーを走らせる人が出てくるからだ。ライドシェアは需給の調整弁の役割も果たすのである。

またプロ(二種免許)のタクシードライバーだからといって、とくだん運転が上手いわけでもない。

私は乱暴な運転で急ブレーキをかけられ、むち打ちになりかけたことがある。変なルートを走られ、ひどく遠回りになったこともある。そのたびにいちおう抗議するが、彼らも彼らで仕事を頑張っている。結局、やり場のない後味の悪さだけが残るのだ。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ハマスのガザ和平案受け入れ期限、トランプ氏が「一線

ワールド

プーチン大統領「NATO攻撃の意図ない」、欧州が挑

ビジネス

利下げは「保険的措置」、今後は慎重姿勢を=ダラス連

ワールド

米政権、製薬・半導体など30業界と交渉 中間選挙見
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭蓋骨から何が分かった?
  • 4
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 5
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 6
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 7
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    AI就職氷河期が米Z世代を直撃している
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 9
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 10
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中