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ヤマハとカワイ...「日本製ピアノ」が世界の舞台で愛される理由とは?

A Musical Journey Through Time

2023年7月14日(金)14時50分
本間ひろむ(批評家)

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ヤマハ「CFX」新モデル NO CREDIT

こんなふうにくっきり明暗が分かれた大会を終えて、ヤマハはスタインウェイを追い抜くべくコンサートグランドピアノCFXの新モデルを市場に投入。

カワイはボストンピアノというスタインウェイのセカンドブランドのピアノをOEM生産しながら、自社の旗艦モデルShigeru Kawaiではあくまでソフトなタッチと繊細な音色を追求するスタイルを貫く。

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カワイ「SK-EX」 KAWAI MUSICAL INSTRUMENTS MANUFACTURING CO., LTD.

そして、コロナ禍にはヤマハもカワイも空前の売り上げ(楽器)を記録した(23年3月期決算でヤマハは約3027億円、カワイは約878億円)。

ステイホームしている世界中の家庭にピアノや電子ピアノを送り込んだのだ。今やピアノの世界シェアで売り上げ1位はヤマハなのである。

エンジニアでありながら稀代のビジネス戦略家でもあった山葉寅楠と、多彩なアイデアとひらめきを持った天才エンジニアの河合小市。

日本のピアノ創業者2人のDNAが、100年の時を超え、いま世界に向けて発露している。

(筆者の専門分野はクラシック音楽と映画批評。近著に『日本のピアニスト その軌跡と現在地』〔光文社新書〕がある)

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