国連安保理、ベネズエラ情勢巡り緊急会合 米「最大限」の制裁表明
写真中央は米国のウォルツ国連大使。12月23日、ニューヨークの国連本部で撮影。REUTERS/Eduardo Munoz
Michelle Nichols
[国連 23日 ロイター] - 国連安全保障理事会は23日、ベネズエラ情勢を巡る緊急会合を開催した。米国はマドゥロ大統領から資金源を奪うために「最大限」の制裁を科すと表明。一方、ロシアは他の中南米諸国が米国の次の標的になる可能性があると警告した。
トランプ米政権は数カ月にわたり、ベネズエラ沖などで麻薬を運搬していたとする船舶を攻撃してきた。トランプ大統領はベネズエラの陸地への攻撃も警告している。
米国のウォルツ国連大使は「この半球、われわれの近隣諸国、そして米国にとって最も深刻な脅威は、国境を越えて活動するテロ組織や犯罪組織だ」と指摘。
「制裁対象の石油タンカーがマドゥロとその非合法政権にとって主要な経済的生命線となっているのが現状だ。これらのタンカーは麻薬テロ組織カルテル・デ・ロス・ソレスの資金源にもなっている」と述べた。
トランプ氏はベネズエラに出入りする制裁対象の全石油タンカーに対する全面的な封鎖を命じており、米沿岸警備隊は今月、カリブ海でベネズエラ産原油を積んでいたタンカー2隻を拿捕(だほ)した。
ロシアのネベンジャ国連大使は、西半球への関与を強化するという米政権の戦略文書を引き合いに出し、「現在行われている介入は中南米諸国に対する将来の武力行為のひな型になる可能性がある」と述べた。
中国の孫磊国連次席大使は、米国に対し「直ちに関連行動を停止し、さらなる緊張の激化を回避する」よう促すと述べた。
安保理の会合開催を要請したベネズエラのモンカダ国連大使は「脅威はベネズエラではなく、米政府だ」と訴えた。
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