最新記事
キャリア

「臆病だからGoogleのリーダーになれた」30歳から知っておきたい、仕事の心得とは?

2023年4月7日(金)08時12分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
Google

グーグル本社 SpVVK-iStock

<Google米国本社に勤務する主席UXデザイナーは47歳で入社した、韓国出身の女性。仕事で壁にぶつかったときにこそ、自分に優しくする理由について>

Googleの入社志願者は年間330万人。誰もが知る世界的企業の本社でトップに昇りつめたのは天才でも自信家でもない、しかも英語がネイティブでもない、47歳で入社したとても謙虚な韓国人女性だった。

仕事で落ち込んだときのネガティブな思考から自分を守る方法について、『悩みの多い30歳へ。世界最高の人材たちと働きながら学んだ自分らしく成功する思考法』(CCCメディアハウス)より抜粋。

◇ ◇ ◇

やることが多いのに、何もやる気が起きないとき

新しい職場に適応するのはいつだって難しい。人間関係を一から築き、組織とその現状を把握する。プロジェクトの内容を理解して、意味のある貢献ができるようになるまでには、かなりの努力と時間が必要だ。

とはいえ、6カ月もあればだいたいのペースがつかめてくるものだが、グーグルに入社したときは半年経っても落ち着かなかった。

世界中の天才たちが集まっているかのように思えた。私が採用されたのはたまたま運がよかっただけで、ここで働けるほどの実力はないのだと感じることがよくあった。そのたびに自分の正体がバレそうで怖くなった。トイレに隠れたり、駐車場に停めた車の中にしばらく座っていたこともある。

それもそのはず、グーグルは夢を売る場所だ。社員はどんな問題を解決すべきか、なぜこれをやらなければならないのか、これが世の中をどんなふうに変えるのかといった、とても壮大かつ曖昧なビジョンについて話し合うことが多い。

機能を1つ追加するときも、ありとあらゆる哲学的解釈と意味が必要だ。「人間と機械の対話の在り方」について、無数の解釈とアプローチから、それぞれが違った提案をする。夢売る同僚たちのショーを見るたびに、私はこの会社にそぐわない人間だという恥辱感と恐怖が押し寄せてきた。

私を苦しめる思考は2種類あった。こんな状況なのにベストを尽くせていないこと、そして、そんな自分が大嫌いだということ。

「このままじゃいけない」と思いつつ、心配するだけで何もせず、食べてストレスを解消し、やるべきことを先送りしてインターネットばかり見ていた。そんな自分のことがますます嫌いになった。

締切ギリギリまで行動できず時間に追われながら仕事をするせいで、クオリティは下がる一方。それが原因でさらに思い悩んで......。悪循環の輪から抜け出すことはできなかった。

インタビュー
現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、ベネズエラ沖でタンカー拿捕 一段と緊張高まる公

ビジネス

ブラジル中銀、4会合連続で金利据え置き タカ派姿勢

ビジネス

FRBが3会合連続で0.25%利下げ、反対3票 緩

ワールド

復興計画の原則で合意とウクライナ大統領、クシュナー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中