最新記事

せどりビジネス

シャネルと韓国の転売ヤーが熾烈な攻防 長引くコロナ禍で衝動買い高まる

2022年3月22日(火)17時12分
ソウルでシャネルの店舗に並ぶ買い物客

韓国では新型コロナウイルス感染対策として海外旅行が制限され、免税品店で買い物を楽しめなくなった反動からか、国内でブランド品の需要が過熱しつつある。写真は16日、ソウルでシャネルの店舗に並ぶ買い物客(2022年 ロイター/Heo Ran)

韓国では新型コロナウイルス感染対策として海外旅行が制限され、免税品店で買い物を楽しめなくなった反動からか、国内でブランド品の需要が過熱しつつある。

こうした中で仏高級ブランドのシャネルは昨年7月、転売目的で大量購入する客には商品を販売しない方針を打ち出した。転売業者もアルバイトを雇って店頭の行列に並ばせ、商品を手に入れようとするなど、し烈な攻防が繰り広げられている。

シャネルはロイターに、転売するためだけに商品を買いだめしようとする客がいると考えて監視を始めて以来、韓国の店舗で客の動きを見定めてきたと説明。「われわれは彼らの購入パターンを分析した結果、大量購入者を特定できた。この方針を実行してから、店頭の客足は30%減少した」と述べた。

同社は、実際にどうやって大量購入者だとみなしたのかや、国別の販売高を明らかにしてない。

世界的にブランド品の需要は拡大している。調査会社ユーロモニターによると、特に韓国は世界のブランド品売上高でトップ7の一角に食い込んでいる上に、トップ7のうち昨年の売上高が2019年を上回ったのは韓国と中国だけだという。

一方、シャネルのようなブランド品メーカーは商品の供給を厳しく管理して価値を維持するとともに、オンラインでは化粧品や香水などごく一部の商品しか購入できない仕組みを取り入れている。そのため韓国の首都ソウルの中心街では、どうしても商品を手に入れたいという人たちが夜明けから店先に長い行列をつくり、何とか商品を買おうとする「オープンラン」という現象が見られる。

ソウルのシャネルの店舗に並んでいたある客はロイターに「私は朝5時半に到着したが、既に30人余りの行列ができていた」と語り、それでも10時間近く後にようやく入店できた時にはお目当ての商品は売り切れていたと明かした。

そこで強まっているのが、転売市場での引き合いだ。韓国大手IT企業ネイバー傘下の限定品転売サイト「KREAM」では、シャネルの代表的なハンドバッグ「ミディアム・クラシック・フラップバッグ」が1月に1350万ウォン(1万1031ドル)で売られていた。これは通常小売価格より20%以上も高い。

垂ぜんの的

KREAMのような転売サイトにはさまざまなブランド品が売りに出されるが、シャネルはスイスの高級時計ロレックスなどと並んで特に垂ぜんの的になっている。韓国では結婚の贈り物として最も人気がある商品の1つであることや、主力ハンドバッグが頻繁に値上げされるのが理由だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続落、27年まで利下げなしの見方広が

ビジネス

NY外為市場=円とユーロが対ドルで上昇、主要中銀が

ワールド

高市首相、ホルムズへの艦船派遣巡り日本の立場説明 

ビジネス

再送-英中銀、全会一致で金利据え置き 紛争によるイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中