最新記事

コミュニケーション

ロジックよりも興味を持たれ、相手に届く 「ストーリーで伝える」という手法

2022年2月26日(土)19時36分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

私は納得のいく批判やアンチコメントは素直に聞こうと思っています。初めてネガティブなコメントが付いた時はショックを受けました。でも、そうしたコメントをちゃんと読んでいくなかで、「あのツイートは私の説明が不足していた。ちゃんと文章が書けていたら誤解はされにくかった。私が悪い」と気が付きました。

その経験を糧にして、「わかりやすい文章で伝える」ということに対して、もっと必死で取り組もうと思うようになりました。だから1日1ツイートになったんです。でも、アンチコメントの取捨選択はするようにしています。すべてに反応するのは、自分の負担を増やすことになると思っているので。

──TikTokなどツイッター以外のSNSに興味は?

今の自分にフィットしているのは、ツイッターなのかな。私は、140字という、SNSのなかでは一番短い字数制限がある場所で輝けるんじゃないかと思っているんです。文章が苦手な私の思いを140字にまとめることが、すべてのスタートだったから。

──2021年に7月に独立して、「AZ(アズ)」を立ち上げたんですよね。

「AZ」は、書くことを軸にしたストーリーテリングブランドです。「商品やコンセプトをどう伝えていいかわからない」という相談を企業などから受けて、ストーリーを考えています。

事実やデータ、スペックをただ並べるよりも、物語に乗せてメッセージを伝えたほうが、お客様に届くんです。ストーリーは会社の数、商品の数、個人の数だけ必ずあります。それぞれのストーリーは唯一無二で、だから他社と差別化できる自社の強みです。オリジナルのストーリーを与えるお手伝いをすることで、コンセプトが輝けば嬉しいです。

「ストーリーテリング」という言葉が日本ではまだあまり知られていないので、先陣をきっていきたいです。

──どんな人に『ストーリーで語る』をおススメしたいですか?

まずは「あっきゃん」アカウントのフォロワーの皆さんです。皆さんのおかげでできた本だから。そして、文章力を付けたい方です。楽しく読み終わってみると、文章技術が身に付いていた。そんな本を目指しました。

ストーリーテリングの手法で、「書くこと」について伝えたつもりです。だから「ストーリーで語る」というフレーズにピンと来た方や、かつての私のように「書くって難しくてできないな」と引け目を感じている人は、ぜひ。

本書がきっかけで、「何か書いてみようかな」と思ってもらえたら、とても嬉しいです。サクッと読めるように書きましたので、身構えずに気軽に手に取ってみてください。

ストーリーで語る
 秋山楓果 著
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

220226sy_akk02.jpg


秋山楓果(あきやま・ふうか)

Twitter界のストーリーテラー/AZ(アズ)創業者/東京デザインプレックス研究所 UXライティング・テキストコミュニケーション講師

2020年12月、「あっきゃん」のアカウント名でツイッターを開設。ごく普通のOLが、わずか100日でフォロワー数2万人を達成したとして、注目を集める。「短文羅列×情景描写×140字」で、さりげない日常のストーリーを綴るツイートが人気。ストーリーテリングの手法に則った独特の文章術は「あっきゃん構文」と呼ばれ、発信力を高めたい人たちのあいだで支持されている。

ブライダル業界勤務、広告代理店営業を経て、24歳で管理職に。2021年7月、ストーリーテリングブランド「AZ」を立ち上げて独立。現在はストーリーテラーとして、様々な企業のPRやブランディングに携わり、講師としても活動。UI/UX専攻コース他を担当し、UXライターとしても活躍の場を広げている。1996年生まれ、香川県出身。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英労働市場の冷え込み続く、被雇用者数が減少 賃金の

ビジネス

コスモエネルギーHD、今期は減収減益を予想 原油価

ビジネス

ホンダ、今期の営業利益5割減予想 米関税や円高が下

ワールド

ベトナム、模倣品・海賊版対策を強化 米国からの関税
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 6
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 7
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 8
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中