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中小企業のバックオフィスDX化はなぜ難しいのか

2021年11月22日(月)11時05分
山口ヨシカズ ※経営ノウハウの泉より転載

取引先から受領する契約書や請求書を送るとスキャンして電子化してくれる専門業者もあります。そのようなアウトソーシングも活用しながら、書類のデジタル化とデータベース化の実施することがファーストステップとなります。

デジタル化の本質は"データドリブン"です。データドリブンとは、ITツールによってデータを蓄積し、データによって経営判断をする体制のことです。ところが、紙媒体ではデータ化が難しく、集計したり統計を取ったりといった作業が単純にはできないので、まず電子化することが重要です。

■ITに詳しい人材がいない企業

ITに詳しい人材がいない企業の場合は、デジタル化推進支援サービスを提供している専門業者を活用しましょう。

中小企業庁の調査によると、高収益企業ほどアウトソーシングを上手く活用してIT人材の不足を補っていると調査結果が出ています(下記グラフ:『中小企業白書2016年 IT人材の活用』より)。

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先述したように日本の産業構造では、ベンダー企業にIT人材が集中している傾向にあります。それならば、そのような企業へのアウトソーシングによって専門的な知識を持った人材を活用することが得策でしょう。

まとめ

デジタル化はただITツールを導入すればよいものではなく、経営上の課題に合った取り入れ方があります。また、企業の傾向ごとにまずやるべきファーストステップは異なります。ぜひ参考にしてください。

【参考】
『IT人材需給に関する調査』/ 経済産業省
『中小企業白書2016年 IT人材の活用』/ 中小企業庁

2021.10.28

[執筆者]
山口ヨシカズ
大手精密機械メーカーのソフトウェアエンジニアを経てライターに転向。IT、DX、テクノロジー関連を中心に、金融、不動産、マーケティングなど幅広いジャンルで執筆している。大学院時代の専攻は電子情報システム工学。猫が好き。

※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です
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