最新記事
アルコール

ノンアルコールビール未開のアメリカ、「コロナ明け」機に大手が販売攻勢

2021年7月25日(日)11時41分
ロイター
ニューヨークで行われたハイネケンのノンアルビール試飲イベントのスタンド

欧米で新型コロナウイルスの制限措置が緩和され、酒好きの人たちはビールやワインを片手に祝っているかもしれないが、大手ビールメーカーが消費者に今売り込もうとしているのはノンアルコールビールだ。写真は15日、ニューヨークで行われたハイネケンのノンアルビール試飲イベントのスタンド(2021年 ロイター/Joyce Philippe)

欧米で新型コロナウイルスの制限措置が緩和され、酒好きの人たちはビールやワインを片手に祝っているかもしれないが、大手ビールメーカーが消費者に今売り込もうとしているのはノンアルコールビールだ。

アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)やハイネケンなどビール大手は、クラフトビール(小規模な醸造所が作る地ビール)やハードセルツァー(アルコール入り炭酸飲料)に市場シェアを奪われており、新世代ノンアルビールで健康志向の流れに乗り、挽回を図る構えだ。

コロナ禍中は取引先とランチをすることがなくなり、スポーツ施設は閑散、パーティーやバーから車で帰宅する人もいなくなり、ノンアル飲料は主な消費の場を失った。市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、世界のノンアルビールの売上高は2019年まで4年間にわたり年平均9%の伸びを続けていたが、2020年は116億ドル(1兆2700億円)と4.6%の減少に転じた。

だが、米国と欧州で行動制限が撤廃され、ビールメーカーは売れ筋ブランドのノンアル版を消費者に試飲してもらいやすくなった。メーカーはこうした取り組みが売り上げアップに欠かせないと確信している。

米国でハイネケンブランドのマーケティングを担当するボルジャ・マンソサリナス氏は「主な障壁は消費者の思い込みだ。つまり、おいしいとは期待されていない」と打ち明ける。

ハイネケンはこの「壁」を打ち破るためにマンハッタンで今月、ノンアルビールの試飲イベントを開催。近くのスタンドで普通のハイネケンを購入して飲み比べたカーリー・ハインツさんは「自分には違いが判らない。本当の酒飲みだけど」と話した。

かつてノンアルビールの多くは、熱処理によってアルコールを蒸発させて製造され、風味が損なわれていた。今ではメーカーの多くが真空室を使って低温でアルコールを取り除いており、製造の過程で失われてしまった、風味の素である有機化合物を再び加えることもある。

ハイネケンは19年に米国でノンアルビール「ハイネケン0.0」の販売を開始。昨年は1000万缶を試飲用に配る計画だったが、コロナ禍のせいで半分以下にとどまった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 9
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 10
    中国がインドに仕掛ける「水戦争」とは? 中国のダ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中