最新記事

投資

2020年米国株展望 30%近く上昇の2019年から一転、控えめに上昇か

2019年12月27日(金)12時00分

米株式市場は今年、大きく上昇したものの、歴史が導くところによると来年はより控えめなパフォーマンスになる可能性がある。写真は12月17日、ニューヨーク証券取引所で撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

米株式市場は今年、大きく上昇したものの、歴史が導くところによると来年はより控えめなパフォーマンスになる可能性がある。

S&P総合500種は年初来28%超上昇しており、この水準で今年を終えるとすれば、年間上昇率は1997年に次いで2番目の大きさとなる。

しかし、べスポーク・インベストメント・グループの調査によると、1928年以降、S&Pが20%を超えて上昇した年の翌年は平均上昇率が6.6%にとどまり、すべての年の平均7.6%をやや下回る。

LPLフィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「今年の米株市場は大幅に上昇しているが、昨年第4・四半期は歴史的に悪い状況だった」と指摘。「(上昇は)景気が好調だからではなく、リセッション(景気後退)入りはないと市場が認識しつつあることが要因だ」と語った。

S&Pは昨年、米中貿易戦争で世界経済がリセッションに陥る可能性への懸念が広がる中、2008年の金融危機以降で最大の下げを記録した。今年の市場の上昇は、年初に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを休止し、政策転換したことに支援されてきた。

チャールズ・シュワブのチーフ投資ストラテジスト、リズ・アン・ソンダース氏は、FRBの政策が債券価格を押し上げ、10年債利回りは歴史的低水準に迫ったとし、米経済の健全性を巡る懸念を浮き彫りにしたと述べた。

同氏はまた、来年11月の米大統領選・議会選挙が政治情勢に敏感なヘルスケアなどのセクターの重しになる見通しだとし、1990年代終盤のような市場の大幅上昇を抑制する可能性があるとの見方を示した。

「当時はハイテクバブルの最中で数年にわたり強い状況が続き、バリュエーションに上限がなかった。今は同じようなバリュエーションの過剰サインはない」と語った。

ただ、2020年に弱気相場を見込む向きはほとんどいない。

クレディ・スイス・セキュリティーズの米国株チーフストラテジスト、ジョナサン・ゴラブ氏は「歴史的に低い金利とリスクプレミアムを踏まえると、バリュエーションにはまだ上昇の余地があるだろう」とし、S&Pは来年末に3425近辺を付け、19日の水準比で約7%上昇すると予想した。

また、フェデレーテッド・グローバル・アロケーション・ファンドのポートフォリオマネジャー、スティーブン・チャバローン氏は、来年は小型株への投資でより大きな利益を得られる可能性があるとの見方を示した。

S&Pの大型株は、ラッセル2000指数を構成する小型株と比べて過大評価されているという。



David Randall

[ニューヨーク ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、対コロンビア軍事作戦を警告 「良い考え

ビジネス

台湾検察、東京エレク現法を追起訴 TSMC機密取得

ビジネス

英消費者向け融資、11月は2年ぶり大幅増 家計需要

ワールド

中国、パキスタンとの緊密な関係再確認 米の接近警戒
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 2
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 3
    2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── 韓国拉致被害者家族が見る日韓の絶望的な差
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    野菜売り場は「必ず入り口付近」のスーパーマーケッ…
  • 7
    ベネズエラ攻撃、独裁者拘束、同国を「運営」表明...…
  • 8
    スペイン首相、アメリカのベネズエラ攻撃を「国際法…
  • 9
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 10
    顔も位置もDNAも把握される――米国で現実化する「SF級…
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中