ユーロ圏景況感3カ月連続改善、8月PMIが1年超ぶり高水準

8月21日、ユーロ圏企業の景況感が3カ月連続で改善した。フランクフルトで2019年1月撮影(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
[ロンドン 21日 ロイター] - ユーロ圏企業の景況感が3カ月連続で改善した。S&Pグローバルがまとめた8月のHCOBユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.1。7月の50.9から上昇し2024年5月以来の高水準となった。ロイターの調査では50.7への悪化が予想されていた。
ハンブルグ商業銀行(HCOB)のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は「状況は改善している。経済活動は製造業とサービス業の両方で上向いている。全体として、この3カ月で成長がわずかながら加速した」と述べた。
製造業PMIは49.8から50.5に上昇し、3年超ぶりに拡大局面に入った。生産指数は50.6から52.3に上昇し、約3年半ぶりの高水準となった。
一方、サービス業は引き続き拡大したがペースが鈍化し、PMIは51.0から50.7に低下した。
雇用は6カ月連続で拡大し指数は24年6月以来の高水準。ただ雇用が拡大したのはサービス業で、製造業では削減が続いた。
物価圧力が強まり、投入コストは過去5カ月で最も大きく上昇した。サービス業のコストインフレは3月以来の高い伸び。全体的な産出価格も4カ月ぶりの大幅上昇となった。
デラルビア氏は、サービス業のコスト上昇は欧州中央銀行(ECB)をやや警戒させる可能性があると指摘した。