日本、中国、韓国や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の首脳会合が4日、バンコクで開催され、インドを除く15カ国が2020年中の協定署名に向けた手続きを進めることで合意した。インドは中国が主導するRCEP交渉で市場アクセスを巡る懸念が対応されず、自国の農業、消費部門が影響を受けるとして参加を見送った。

RCEPには中国が支持したほか、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ASEAN加盟10カ国が参加を表明した。声明で「RCEP参加15カ国は全20章および基本的には市場アクセスを巡るあらゆる問題について条文ベースでの交渉を妥結した」とし、来年の署名を目指すと表明。「世界環境が目まぐるしく変化する中、RCEP交渉の妥結は地域全体の開放された貿易と投資環境に対する集団的なコミットメントを示すものとなる」とした。

一方、「インドには重大な未解決の問題がある。インドの最終的な判断は、これらの問題の満足のいく解決にかかっている」とした。ただ中国の楽玉成外務次官は「インドの準備ができれば、いつでも参加を歓迎する」と発言。15カ国はインドの将来的な参加に道を残した。

長期にわたり議論されてきたRCEPを巡っては米中貿易摩擦が新たな刺激となったが、インドのモディ首相は、関税の違いや貿易赤字、非関税障壁などを理由に合意しないことを決断したという。

インド政府によると、モディ首相は「RCEP合意について、すべてのインド国民の利益に照らし合わせて考えた場合、肯定的な答えは得られなかった」とし、インド国民の利益を考慮する必要があったと説明した。

RCEPは参加国に段階的な関税撤廃を義務付けていることから、インドは中国の安価な製品のほか、オーストラリアやニュージランドからの安価な農産品で自国の市場が損なわれると懸念していた。

インドが不参加でもRCEP15カ国の国内総生産(GDP)は全世界の約3分の1に相当。ただカバーする人口は、インドが参加すれば全世界の約半分となるところ、3分の1以下にとどまる。

RCEPを主導する中国は現在米国との貿易戦争に直面しており、インドがRCEPに参加すればRCEPに対する中国の影響が和らぐ可能性がある。

[ロイター]
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