最新記事

韓国経済

韓国貿易輸出、10月は約4年ぶりの大幅減 政府は最悪期過ぎたとの見方

2019年11月1日(金)11時42分

11月1日、韓国政府が発表した10月の輸出は、前年比14.7%減少し、2016年1月以来の大幅な落ち込みを記録した。写真は仁川の港。2016年5月撮影(2019年 ロイター/Kim Hong-Ji)

韓国政府が1日に発表した10月の輸出は、前年比14.7%減少し、2016年1月以来の大幅な落ち込みを記録した。最大の輸出相手国である中国向けが引き続き減少したほか、半導体価格の下落が輸出を押し下げ、11カ月連続でマイナスとなった。

ロイターがまとめたアナリスト予想の中央値は13.8%減だった。9月は11.7%減だった。

ただ政府によると、輸出の最悪期は過ぎた可能性がある。成允模産業通商資源相は声明で、数量ベースの需要は堅調で、半導体価格の下落幅縮小に伴い、輸出の減少ペースは鈍化し始めるとの見解を示した。

エコノミストも、世界需要がさらに落ち込まない限り、カレンダー効果で前年との差は緩やかになるとみている。韓国の輸出は昨年11月に減少し始めた。

HIインベストメント・アンド・セキュリティーズのチーフエコノミスト、Park Sang-hyun氏は「輸出の1営業日当たり平均は依然として高水準で、(世界的な)不透明感はある程度低下している。減少幅は縮小し、来年初めにはプラス転換する見込みだ」と語った。

半導体の輸出は32.1%、中国向け輸出は16.9%、それぞれ大きく落ち込んだ。

半導体は輸出全体の18%、中国向けは25%を占める。

産業通商資源省の高官は記者会見で、半導体輸出は近く回復する可能性があるとし、世界的に顧客の在庫がほぼ正常化し一部のメモリーチップ価格が上向いていることに言及した。

また、2017年の好調期に国内造船企業が受注した船舶の多くは来年初め以降に納期を迎えると指摘した。造船も韓国の主要な輸出セクターの1つ。

輸入は前年比14.6%減で、予想(13.2%減)以上に減少した。

貿易収支は53億9000万ドルの黒字。9月は59億8000万ドルの黒字だった。

貿易統計とは別に発表された10月の消費者物価指数(CPI)は、前年比横ばいだった。予想は同0.3%低下だった。

*内容を追加しました。

[ソウル 1日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191105issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

10月29日発売号は「山本太郎現象」特集。ポピュリズムの具現者か民主主義の救世主か。森達也(作家、映画監督)が執筆、独占インタビューも加え、日本政界を席巻する異端児の真相に迫ります。新連載も続々スタート!


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 6
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 7
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 8
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中