最新記事

ギリシャ

ギリシャ支援合意見えず、チプラス首相「債権団は面目つぶし狙い」と非難

追加融資の条件を拒否する姿勢に、マーケットはデフォルトを予測

2015年6月17日(水)17時22分

6月16日、ギリシャのチプラス首相は政権に恥をかかせようとしているとして国際債権団を非難した。議会で演説する首相、6月5日撮影。(2015年 ロイター/Alkis Konstantinidis)

[アテネ/ベルリン 16日 ロイター] - ギリシャのチプラス首相は16日、国際債権団が政治的な動機から一段の緊縮策を要求しているとして、ギリシャ政権に「恥をかかせるため」の試みだと非難。債務不履行(デフォルト)の危機が月末に迫る中、支援の条件となる緊縮策の受け入れを依然として拒む姿勢を示した。

これを受けて金融市場では懸念が広がり、欧州株式は一時2月以来の安値に下落した。

チプラス首相は、低所得層に打撃を与える年金削減や増税の要求には政治的な動機があり、「ギリシャ政府だけでなく、国民すべてに恥をかかせる」狙いがあると指摘。

欧州中央銀行(ECB)や欧州連合(EU)が債務軽減を認めないため、ギリシャの財政状況を追い詰めているとも批判した。

一方、欧州委員会のユンケル委員長は16日、ギリシャ支援協議で欧州委が行った提案についてチプラス首相が恣意的に歪曲してギリシャ国民に伝えていると述べ、首相を非難した。

ユンケル氏は、欧州委として医薬品や電気料金に課す付加価値税(VAT)の引き上げに賛成しておらず、防衛支出の「控えめな削減」など他の方法で財政健全化を図るよう提案してきたと語った。

またドイツのメルケル首相は、ギリシャ支援協議で新たな進展はほとんど見られないとの認識を示し、18日のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)で妥結するかは明言できないと語った。

メルケル首相は、改革案をめぐりEUや国際通貨基金(IMF)と合意するようチプラス首相に促すため、過去数週間にわたって電話会談を行ってきた。

<デフォルトとグレグジット>

6月末までに支援が再開されなければ、ギリシャは月末に期限を迎えるIMFへの16億ユーロ(18億ドル)の返済ができずデフォルトとなり、ユーロ圏離脱の可能性が現実味を帯びる。

メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の有力議員、ミヒャエル・グロッセ=ブレメル氏は16日、ギリシャ政府が堅実な改革案を提示しない場合、同国の「グレグジット(ユーロ圏離脱)」は認められるべきだとの意見を表明した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米韓空軍、10日から2週間の合同演習 次世代機も参

ビジネス

EUの認証変更案、米製大型ピックアップ販売を阻害も

ワールド

世銀、26年の中南米成長率予測を2.1%に下方修正

ワールド

仏大統領、米イラン首脳と電話 レバノンでの停戦順守
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 4
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 5
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 6
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 7
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 8
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 9
    アメリカとイランが2週間の停戦で合意...ホルムズ海…
  • 10
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 5
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 9
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 10
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中