最新記事

テクノロジー

必要ないけど欲しくなるアップルウオッチ

ファッショナブルでステータスシンボルになる時計と思えば高くないし機能も豊富

2014年9月24日(水)17時30分
ウィル・オリマス

新発想 大事なのは端末としての機能ではなく時計としての魅力だった David Paul Morris-Bloomberg/Getty Images

 アップルが「期待以上」の新製品を発表したのは、ティム・クックがCEOになって以来初めてのこと。その新製品とは、腕時計型端末のアップルウオッチだ。

 発売は来年になるため機能面ではまだ分からない部分もあるが、外見はこなれている。それもかなりのレベルだ。

 腕時計型端末はこれまでも各社から発売されているが、多くの企業は最近まで、売れるために一番大事な要素が「端末」部分ではなく「時計」の部分にあることに気付いていなかった。

 だがアップルは、それを理解しているようだ。アップルウオッチの時計機能は世界標準時との誤差0.05秒以内の高精度。デザイン性の高い四角いフェースには、傷が付きにくいサファイアクリスタルを使っている。高解像度ディスプレイ「レティナ」も明るく鮮明だ。

 おしゃれアイテムに重要なカスタマイズも可能で、スクリーンのサイズは38ミリか42ミリのどちらかを選べる。ボディー部分はステンレス、アルミ、金から選べるし、ストラップはレザー製から金属製まで6種類。ディスプレイの表示もアナログかデジタルが選べ、背景を写真にすることもできる。

 ソフトウエアはシンプルだが(これから競って開発されるだろう)天気、カレンダー、メッセージや地図機能のほかに、タッチスクリーンに書いた落書きを友人に送ることもできる。

 携帯端末を既に持っている人が、腕に2つ目の端末など必要なのだろうかとも思う。だがそんな疑念は、アップル製品には当てはまらないのかもしれない。私が今でも「本当に必要なのか」と疑問に思っているⅰPadだって、1億台以上売れているのだから。

 時間表示以外に大した機能がなくても、ファッショナブルでステータスの象徴となるような腕時計なら何百ドルも出して買う人は大勢いる。アップルウオッチの価格は349ドルから。時間に加えていくつかの有益な情報を提供してくれるのだから、喜んで買う人はいるはずだ。

© 2014, Slate

[2014年9月23日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

9月の米雇用、民間データで停滞示唆 FRBは利下げ

ビジネス

NY外為市場=ドルが対ユーロ・円で上昇、政府閉鎖の

ワールド

ハマスに米ガザ和平案の受け入れ促す、カタール・トル

ワールド

米のウクライナへのトマホーク供与の公算小=関係筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 6
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 7
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    AI就職氷河期が米Z世代を直撃している
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 9
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 10
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中