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ヨーロッパ経済

ポーランド成長率1%独り勝ちの訳

2009年10月26日(月)12時11分
クリストファー・ワース

 金融危機で大打撃を受けいまだ不況が続くヨーロッパで、経済の優等生として急浮上した国がある。ポーランドだ。

 10月初めに世界経済の成長率見通しを上方修正したIMFは、09年度のポーランドのGDP成長率は1%になると予測。ヨーロッパでプラス成長を達成する唯一の国になる可能性も出てきた。

 さらに先頃発表された「企業が今後5年間で事業進出したいヨーロッパの都市ランキング」では、昨年まで首位だったモスクワを抜いて、ポーランドの首都ワルシャワがトップに躍り出た。

 人気の原因は何か? 1つには、投資家が安心できるポジティブな材料が多いからだろう。今年5月にIMFから緊急融資を受けることになった際も、ポーランドは経済状況が良好な国に対する無条件の資金支援として205億ドルの融資枠を供与された。

 支援が保証されたおかげで市場は安定。政府は昨年から30%も下落していた自国通貨ズロチを融資枠から引き出さずに済んだ。

 ズロチの下落は、ポーランドの輸出業者にとっては願ってもないことだった。国内市場も大きいので、節約に走り始めた世界の消費者に翻弄されることなく貿易のバランスを取ることができた。

 不安定な政情が有利に働いた面もある。06年にレフ・カチンスキ現大統領の双子の兄ヤロスワフが首相に就任し、その後の数年間は混乱が続いたが、おかげでラトビアやハンガリーにいま打撃を与えている投機的な「ホットマネー」が減ったとみられている。苦しんだかいがあったのかもしれない。

[2009年10月28日号掲載]

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