コラム

FRB議長「異例」交代でも、金融政策には変化なし

2017年12月02日(土)14時50分

イエレンは辞任表明の書簡でこう述べている。「FRBはこれまでも現在も強力な組織であり、重要な公的使命の遂行にプロとして、党派に縛られないやり方で注力していきます。私は後任議長のジェローム・H・パウエルがこの使命に傾注することを確信し、円滑な引き継ぎに全力を尽くす所存です」

トランプに一貫したイデオロギーがあるとすれば、オバマの遺産を破壊することだけだ。外部の識者は、FRBはトランプ政権下で独立性を失っていくのではないかと予想する。実際、トランプには10月に辞任したスタンリー・フィッシャー副議長の後任の人選など、FRBを自分のイメージどおりに変えていく権限と機会がある。

しかし、トランプの高い自己評価は数字によって支えられている。ツイッターのフォロワー数、テレビの視聴率、選挙の投票結果、そして経済指標......。トランプの感謝祭のツイートで、米株式市場の時価総額は大統領選後に5兆5000億ドル増えたと自慢した。そこにFRBの将来を占うヒントがある。

トランプは大事な政治的アピールの道具である経済指標の悪化を望まないはずだ。従ってFRBの大幅な方針転換は考えにくい。

本人は絶対に認めないだろうが、トランプの主要戦略はオバマが始動させた景気回復を継続させることにある。

<2017年12月5日号掲載>

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サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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