- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 「体験格差」という言葉に覚える強烈な違和感
「体験格差」という言葉に覚える強烈な違和感
もちろん、現在の世相では、だからこそ「何も取り柄のない、知的なるものに縁のなかった」階層が「自分たちにも名誉と居場所を得る権利がある」という主張を始めています。そして自分たちの名誉のためには、エリート層の持つ知性を重視するカルチャーを破壊することも厭わないという混乱が続いているわけです。
これは確かに大きな反動です。とりわけバラク・オバマという、ケニア人の実父とインドネシア人の継父を持ち、経済的には豊かではないがバスケットボールと法学という知性によって、アメリカンドリームの階段を駆け登ったまぶしいまでの成功例に対する、負け組の側の破壊衝動の発露とも言えるでしょう。
困窮層の中からも貪欲に才能を発掘するような、究極の能力主義を進めた結果が、グローバル経済を勝ち抜くことになり、けれども同時に明確な敗者を生んでしまい、そのリベンジ破壊の衝動が政治的なエネルギーになっているとも言えます。
では、日本の場合は、本当の能力主義を徹底し、また困窮層の中から問題提起型の人材を発掘すれば、アメリカのように敗者の逆襲を招くから、現状のままで良いのかというと、全くそうではありません。バブル崩壊から35年、全く成長ができずに衰退の続く経済と社会を好転させるには、まずは本当に戦力になる人材、必要な改革を進め問題を解決する人材を発掘することから始めなくてはなりません。
その意味で、体験を評価する総合選抜型の入試で「体験格差」が問題になるというのは、根本的な誤りであり、教育界全体として猛省が必要であると思います。まずは、「いわゆる『体験』」ができない環境に育った体験」を本当の体験として評価することから始めるべきです。
【関連記事】
東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教育機会の格差
教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度

アマゾンに飛びます
2025年10月14日号(10月7日発売)は「中国EVと未来戦争」特集。バッテリーやセンサーなどEV技術で今や世界をリードする中国が戦争でもアメリカに勝つ日
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
日本の新政権が向き合うべき、安全保障の「ねじれ」というアキレス腱 2025.09.17
「物価高対策と財政規律の間の最適解」──ポスト石破に求められる最重要課題 2025.09.10
アメリカのストーカー対策、日本との違いを考える 2025.09.03
「体験格差」という言葉に覚える強烈な違和感 2025.08.27
-
人事労務担当/リーダー候補/外資系企業の給与計算・社会保険/フレックス/年休124日/5946
永峰・三島コンサルティング
- 東京都
- 年収600万円~700万円
- 正社員
-
法人営業/外資系担当/創業80年/SK-II・POLA・ファンケル等/9684
東亜紙巧業株式会社
- 東京都
- 年収400万円~500万円
- 正社員
-
SNS企画立案~運用担当/外資企業の案件/プライム上場/連続増収/大規模案件多数/5377
トランス・コスモス株式会社
- 東京都
- 年収350万円~600万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備スタッフ/経験スタッフ/賞与支給/サポート体制万全/高時給/夜勤あり
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員