- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- ユナイテッド航空の乗客引きずり降ろし、残る3つの疑…
ユナイテッド航空の乗客引きずり降ろし、残る3つの疑問
しかも、経済的に景気が良く、原油価格も安定している今の時期に、逆行するかのようにサービスの改悪を続けているのです。そこには航空業界に「今、儲けなくていつ儲ける」という判断があるのは明白です。そんな経営方針を可能にしているのは、規制緩和よりもメガキャリアの合併という問題です。
先ほど申し上げた「ユナイテッド/コンチネンタル」の合併だけでなく、「デルタ/ノースウェスト」「アメリカン/USエア」という組み合わせを含めて、俗に言うメガキャリアの数は、ここ10年で半減してしまいました。その分だけ競争は緩和され、サービスの改悪も「カルテルのように一社やると他社が追随」という状況があるのです。これが諸悪の根源だと思います。
ではこの事件ですが、まずどのような対応が求められていたのでしょうか。一つは報奨金を法律の上限である1350ドル近辺までオファーして、あくまで任意での降機を募るべきだったということです。
もう一つは、実はこのフライトは286マイル(450キロ強)という短距離だということです。席を譲ったら当日中に着かないからとお互いにカッカしないで、クルーか乗客の何人かを陸路で送れば、はるかに安いコストで丸く収まったのではないでしょうか。
党議拘束の緩和こそ政治改革の決め手 2024.04.17
爆発的な観光資源となったアメリカの皆既日食フィーバー 2024.04.10
皆既日食で盛り上がるアメリカ 2024.04.03
大谷翔平の今後の課題は「英語とカネ」 2024.03.27
植田日銀の大規模緩和「出口戦略」は成功しているのか? 2024.03.20
『オッペンハイマー』日本配給を見送った老舗大手の問題 2024.03.13
「日本企業への妨害」と「日本切り捨て」のリスク...トランプ復活で、日本は最大の標的に? 2024.03.07