- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- ユナイテッド航空の乗客引きずり降ろし、残る3つの疑…
ユナイテッド航空の乗客引きずり降ろし、残る3つの疑問
しかも、経済的に景気が良く、原油価格も安定している今の時期に、逆行するかのようにサービスの改悪を続けているのです。そこには航空業界に「今、儲けなくていつ儲ける」という判断があるのは明白です。そんな経営方針を可能にしているのは、規制緩和よりもメガキャリアの合併という問題です。
先ほど申し上げた「ユナイテッド/コンチネンタル」の合併だけでなく、「デルタ/ノースウェスト」「アメリカン/USエア」という組み合わせを含めて、俗に言うメガキャリアの数は、ここ10年で半減してしまいました。その分だけ競争は緩和され、サービスの改悪も「カルテルのように一社やると他社が追随」という状況があるのです。これが諸悪の根源だと思います。
ではこの事件ですが、まずどのような対応が求められていたのでしょうか。一つは報奨金を法律の上限である1350ドル近辺までオファーして、あくまで任意での降機を募るべきだったということです。
もう一つは、実はこのフライトは286マイル(450キロ強)という短距離だということです。席を譲ったら当日中に着かないからとお互いにカッカしないで、クルーか乗客の何人かを陸路で送れば、はるかに安いコストで丸く収まったのではないでしょうか。
天才的なヒラメキとともに躍動する姿を見せ続けた......長嶋茂雄の愛された時代 2025.06.04
混乱回避に成功した米ニューアーク空港と航空行政 2025.05.28
「外国免許切替」制度の厳格化は必要、だが事故防止はまた別の問題 2025.05.21
分裂深める米民主党に、国政奪還の可能性は見えてこない 2025.05.14
45年前の「ハプニング解散」当時と現在の政治状況を比較すると 2025.04.30
迷惑系外国人インフルエンサー、その根底にある見過ごせない人種差別 2025.04.23
グーグルへの公取「排除命令」は、日本のデジタル赤字対策になるか? 2025.04.16