- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- ユナイテッド航空の乗客引きずり降ろし、残る3つの疑…
ユナイテッド航空の乗客引きずり降ろし、残る3つの疑問
ユナイテッド航空の対応をめぐってアメリカ国内では様々な報道が続いている Louis Mastro-REUTERS
<乗客引きずり降ろし事件に関連して、ユナイテッド航空の対応をめぐる様々な報道が続いている。そもそもアメリカの国内線はなぜこんなにギスギスしているのか?>
今週9日に発生したユナイテッド航空3411便シカゴ・オヘア空港発、ケンタッキー州ルイビル行きの機内から1人の乗客が強制的に降ろされて負傷した事件については、依然としてアメリカ国内でも様々な報道が続いています。この事件の背景にある問題を3つの観点から整理してみたいと思います。
1点目は「どうして謝罪が遅れたのか?」という問題です。事件発生が9日で、10日の朝からは事件の経緯を撮影した動画がネット上を駆け巡りました。この時点ではオスカー・ムニョスCEOは「降ろされた乗客」や「不快な思いをした同便の搭乗者」への謝罪は行っていません。むしろ従業員をかばうようなメッセージを出していたのです。
その結果として、10日にはABCの夜のお笑い番組で徹底的に批判されたばかりか、11日の朝には各局の朝のニュースで大きく取り上げられ、さらにホワイトハウスの定例会見で話題にされ、「炎上」状態になりました。この時点で同社の株は4%下落しています。ムニョスCEOが本当に謝罪を行ったのは、12日の午後になってからで、そこで株価は1%安まで戻しています。
事件から謝罪まで40時間以上かかったというのは異常であり、アメリカでは強い批判を浴びました。一部には、ムニョスCEOの前職が、CSX社という全国的な貨物列車の運行会社の社長であったことから「乗客を貨物だと思っているのだろう」などという批判もありますが、これは違うと思います。
【参考記事】ユナイテッド機の引きずり出し事件に中国人激怒、の深い理由
合併後の企業カルチャー
現在のユナイテッド航空というのは、2010年にユナイテッド航空とコンチネンタル航空が合併してできた会社です。そのうち、コンチネンタル航空というのは、特に従業員を大事にするカルチャーで有名でした。一方で、旧ユナイテッド航空では、従業員組合が強かったのです。
ですから、合併後の新会社には「従業員を大事」にすると同時に「組合に気を使う」という社風が残り、それが、今回のように「非番のクルーの移動を堂々と有償旅客より優先する」とか「不祥事の際にまず従業員をかばう」という姿勢になったのだと考えられます。
また、実際に3411便を運航していたのはユナイテッドではなく、提携先のリパブリック・エアという小規模な航空会社で「リパブリック」の機材とクルーで運航されていました。そのために「クルーはユナイテッドの指示に逆らえない」一方で、ユナイテッドとしては「リパブリックのクルーを守らなくてはならない」という関係性があったのかもしれません。
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
環境活動家のロバート・ケネディJr.は本当にマックを食べたのか? 2024.11.20
アメリカのZ世代はなぜトランプ支持に流れたのか 2024.11.13
第二次トランプ政権はどこへ向かうのか? 2024.11.07
日本の安倍政権と同様に、トランプを支えるのは生活に余裕がある「保守浮動票」 2024.10.30
米大統領選、最終盤に揺れ動く有権者の心理の行方は? 2024.10.23
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員