- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 予備選では、なぜ極端な候補が先行するのか
予備選では、なぜ極端な候補が先行するのか
例えば共和党の側ではトランプ候補が「移民は追放」とか「イラクを再占領」などと言って喝采を浴びているわけですが、サンダースの「最低賃金15ドル」とか「公立大学はタダ」というのも「夢のようなプラン」だが「実行は困難」という点で似通っていると言えます。そして、こうした主張が「受ける」というのは「オバマ政権という中道現実路線」に対する「アンチ」だということもソックリです。
このサンダース候補の主張は、ある意味で「占拠デモ("Occupy Wall Street!")」の流れを継承しているとも言えるわけですが、2011年に始まったこの「占拠デモ」も、2010年の選挙でブームを起こした「茶会」も、いずれも「オバマへのアンチ」として出てきました。その意味で、サンダースの主張というのは「オバマ政権に対する左派の不満」を言語化したものと言っていいでしょう。
実現の可能性に根拠がないこと、他の人が言わないような単純な極論を主張して「スッキリ」させてくれるという点では、右派のトランプ候補、左派のサンダース候補は「双璧」であり、正に左右対称と言っていいと思います。
大統領選挙に関して、最近の共和党は「保守でなくては予備選に勝てないが、保守に過ぎると本選では勝てない」という矛盾を抱えていると言われます。また、民主党の方も「リベラルでなくては予備選に勝てないが、リベラルに過ぎると本選に勝てない」という矛盾を抱えており、例えば1972年の選挙におけるマクガバン候補の惨敗などを考えると、民主党の方が本家とも言えます。
こうした現象は、特に予備選の初期に見られることが多く、今回はまさにそのケースです。では、どうして予備選の初期には「極端な候補」が先行するのでしょうか?
一つには、投票日まで1年以上ある現時点で予備選に熱心になれる人は、ある意味で「政治好き」とか「ニュース中毒(アメリカにはそういう言い方があります)」なわけで、そうした人は右か左のハッキリしたイデオロギーを掲げていることが多いということがあります。要するに、選挙戦の初期段階から積極的に立場を表明する人は、有権者も「極端」ということです。
二つ目には、どんな大統領でも政権末期には現実主義に傾くのは仕方がないところです。ですから、それに不満で、「新しい時代」を待望する心理というのは、自然と左右の極論になっていくのだというメカニズムもあると思われます。
そうだとしても、中道候補が先行して、極端な候補が「後からブームを作ってそのまま逃げ切る」より、最初に極端で非現実的な候補がパッと先行して、やがて本格的な候補が出てくる方が健全な選挙戦と言えるでしょう。その意味では民主党も共和党も、本格候補たちが出揃って巻き返して来る「予備戦第2章」のスタートが待たれます。
天才的なヒラメキとともに躍動する姿を見せ続けた......長嶋茂雄の愛された時代 2025.06.04
混乱回避に成功した米ニューアーク空港と航空行政 2025.05.28
「外国免許切替」制度の厳格化は必要、だが事故防止はまた別の問題 2025.05.21
分裂深める米民主党に、国政奪還の可能性は見えてこない 2025.05.14
45年前の「ハプニング解散」当時と現在の政治状況を比較すると 2025.04.30
迷惑系外国人インフルエンサー、その根底にある見過ごせない人種差別 2025.04.23
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
事業開発責任者/外資系決済代行サービスの新規開拓・営業推進/土日祝休み
Payment Options株式会社
- 東京都
- 年収450万円~1,000万円
- 正社員
-
「アドミニストレーター」外資系高級時計ブランドの管理部
パルミジャーニ・フルリエ・ディストリビューション・ジャパン株式会社
- 東京都
- 年収450万円~550万円
- 正社員
-
歯科衛生士/若手の外資企業!歯科用CTのインストラクター/未経験OK
株式会社バテックジャパン
- 東京都
- 年収420万円~500万円
- 正社員