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「トランプ旋風」にダマされるな!
では、そんなトランプ氏が世論調査でダントツの首位ということは、アメリカの民主主義は「劣化」しているのでしょうか?
そうではないのです。この支持率24.3%とか、視聴数2400万というのは、「シリアスなものではない」のです。アメリカの有権者は、十分に健全であって、このドナルド・トランプという人を合衆国大統領にする気などまったくないと思います。
では、この「現象」は何を意味するのでしょうか?
簡単なことです。アメリカの有権者は、フロント・ランナーと言われるヒラリー・クリントンにも満足していないし、彼女に対抗している共和党の本命候補、例えばジェブ・ブッシュなどにも満足していないのです。彼らに奮起を促すために、またそのために予備選を盛り上げて行くために、まったく仮の動きとして「トランプ旋風」を煽って、楽しんでいるだけなのです。
やがて、トランプ氏の勢いは止まるでしょう。その時には、ヒラリーとジェブという本命中の本命が一騎打ちを始めるでしょう。ただしトランプ旋風が長引く、つまりヒラリーやジェブへの不満感が深刻なものとなった場合には、例えばルビオとかクルーズといった共和党の若い世代の思いがけない躍進ということがあるかもしれません。いずれにしても、「トランプ旋風」にダマされてはいけません。